ちくま文庫<br> 血染めの部屋―大人のための幻想童話

ちくま文庫
血染めの部屋―大人のための幻想童話

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  • サイズ 文庫判/ページ数 309p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480035257
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

純白の処女の喉元に飾られた血の色の首飾り。さしこむ月光の中、下肢から血をしたたらせる狼少女…。女は、その身体の奥にいつも血の匂いを秘めている。赤頭巾、白雪姫、青ひげ、吸血鬼譚などに着想を得て、性のめざめと変容とを描く、セクシュアルで残酷な短編集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

14
イギリスにおけるマジックリアリズムの第一人者。青髭や美女と野獣などの童話を下敷きにした10の短編を収録。人間の本性や残酷さが浮き彫りに。1992/07/18

ヴィオラ

12
受け手側の状況はどんどん変わっていくのだから、送り手側も変化していくのは、ある意味必然。もともと口承が基本である「童話」が、こういう「語り直し」と相性がいいのはうなずけますね。ただ、直前にとても分かりやすい(?)コンセプトの語り直しを読んだので、今作は少し読みづらかったかもw マジック・リアリズムの発祥がドイツだったのは初耳でした。2015/12/03

あ げ こ

10
狭間で惑う者達。恐れている。けれど同時に、惹かれてもいる。死に近い愉悦の。自らの知らぬ、その愉悦の。おぞましく、冒瀆的な誘惑の。その甘美さに。自らに破滅を、堕落をもたらすはずの、その甘美さに。戸惑っている。けれど同時に、心かき乱されてもいる。危うい。寸前にいる者の危うさ。変わり行く者の、目覚め行く者の危うい美しさばかりがある。酷く官能的で、酷く肉感的で、嫌悪すら覚えるほどに、艶かしい物語群。不快さすら覚えるほどに、蠱惑的な物語群。その行為。その儀式。その欲望。獣じみている。獣じみて行く。獣と化して行く。2019/02/27

くさてる

6
童話を大人向けにリライトする小説は、そんなに珍しいものでないけれど、これは濃い文章によって浮かび上がるイメージの鮮やかさを楽しむような内容。猫のキャラクターが秀逸な「長靴を履いた猫」が面白かった。2011/06/26

tona

5
残酷で、エロティック。倉橋由美子の『大人のための残酷童話』と並べられることが多いが、こちらの方がよりフェミニズム的。正直、ちょっとむずかしかったです...2014/12/26

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