ちくま文庫
森鴎外全集〈10〉即興詩人

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  • サイズ 文庫判/ページ数 480p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480030900
  • NDC分類 918.68
  • Cコード C0197

内容説明

作家が九年の歳月をかけて訳出した、近代文学史に残る名訳を、精細かつ分りやすい注解付で贈る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

奥澤啓

52
森鷗外の代表作を三作あげよと、訊かれたら、『澀江抽齋』、『即興詩人』、『獨逸日記』と、とりあえず答える。明治以降の翻訳文学の代表作を三作あげよと訊かれたら『即興詩人』、『ガルガンチュアとパンタグリュエル物語』(渡辺一夫訳)、『ガリバー旅行記』(中野好夫訳)と、とりあえず答える。『即興詩人』。鷗外が九年の歳月をかけて心血を注いだ文語文の大文章である。文語文の偉大な達成である。日本人に生まれたら、死ぬまでのあいだにこの文章を読まなければ、日本人に生まれた意味がない。そこまで言うか。言うのである。2015/04/06

春ドーナツ

22
初版例言によると翻訳は明治25年9月10日に始めて、九星霜、脱稿は34年1月15日だそうです。「明治村」のゆかりある邸宅で読むことができたら風情があるだろうなと思う。縁側に座し、目の端には鮮やかなあじさいの花。風の通り道があってひやりとする。アンデルセンの教養小説というよりも森鴎外の作品として紐解いてしまう。日本人に馴染みのないものには丸括弧で注釈が付されている。例:「アルタナ」(物見のやうにしたる屋根) 傍注が充実。むしろ、時の隔たりを感じる。けれども明治は思うほど古くはない。たまには雅文体いとをかし。2019/06/09

coromo

2
再読 超美文。文語文は頭使う2014/02/02

K.

1
読み終わるのに2年以上かかった。高2の秋、志望大学の二次試験に出題される近代文語文対策のために読み始めるもクセが強くてなかなか読み進めることができず放置。高3の冬にもチラチラ読むが半分も読めなかった。しかし読めないながらもその文体の美しさには魅了され心酔していた。既に大学生になった今となっては、いつの間にかこの文体に慣れていた。僕はベルナルドオの溌剌たる姿が好きだなー。僕の高校時代の思い出の一冊。2015/01/15

まるぽー

1
文語体の長編ということで、読了に時間を要したが、それだけの価値はあった。文章の美しさはもちろんのこと、これまで読んできた翻訳小説の中で、最も違和感なく読むことができた。読んでいる途中で鴎外の著書と錯覚するほどであった。話の内容も往年の青春小説として楽しめる。残念だったのは、早い段階の注釈にネタバレがあること。物語のクライマックスに関わる部分なので、伏せておく配慮が欲しかった。2014/12/23

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