内容説明
戦後まもない混乱期。街は爆撃のため無残な焼け野原、人々は食糧を得るのに必死であった。しかしそこから新しい時代は芽生えつつあった。占領下の日常、若い人たちの姿、甦る下町…。時代をさりげなく、そして的確に写し出した傑作集。
目次
甦る人々
庶民の町
上野浅草
銀座
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mm
21
このシリーズは1から4まであるんだけど、1の「戦前と戦後」が登録できない。1は昭和10年の沖縄の写真から始まる。沖縄は日本だと認識してきたけど、この写真を見るとここは別の国だ。彼の地が戦争でズタボロになり、今は基地に蹂躙されていると思うと、あまりに理不尽だと怒りを感じる。昭和15年の奉天の写真。バブリーな雰囲気、金の匂いがよく写っていてハッとする。昭和10年の八百屋。壁でこれでもかとばかり貼り出されているのは味の素の宣伝。なるほどなあ。。こういう文化は変わらんなあ。。焼け野原、闇市、そこで生きる人間。2021/02/01
ホークス
16
bookoffの100円でゲット。昭和21〜50年のモノクロ写真集。一枚一枚に味わいがある。人の表情、衣服、物腰など、今とは明らかに別の世界。例えば両国の花火を見るのに、舟や橋の上に「蝟集」した群衆。チンドン屋について歩く子供たち。その中には、その頃の自分の年恰好の子もいる。こんな世界に生きていたんだなぁ。良くも悪くも時は無情に過ぎていく。特に最近見なくなった、ひどく逞しい顔、危ない顔、虚無的な顔にそれを感じた。2015/11/29
ふろんた
9
戦後、復興期の東京の姿。2015/05/17
まさにい
8
僕が記憶に留めている昭和の風景は昭和40年代の初めころからである。この頃の写真もあるので懐かしい気分になる。祖父が写真が好きで、今は亡き祖父の家に行くと似たような写真が出て来る。混沌として、活気があって、静寂もある。都市部では戦争で失われたものも多く、ほとんどのものが同じ境遇から始まったといえる時代。結構空恐ろしい事件もあり、戦争という時代を経てきた社会の後遺症だったのだろう。ただ、ある意味自由だったし、ある意味寛容だった時代。ここに出てきている写真、時々見返していろいろ考えている時間がいい好きだ。2023/10/08
まいど
5
最近知った木村伊兵衛が報道写真家だったという事実。ずっとポートレートの神様とだけ見ていた中で何となくあった違和感が最後のピースを見つけたようにすっぽりと収まった。 報道写真の目線で見ると改めて凄さが分かりますよ。2012/10/17