ちくま文庫<br> 『りぼん』のふろくと乙女ちっくの時代―たそがれ時にみつけたもの

ちくま文庫
『りぼん』のふろくと乙女ちっくの時代―たそがれ時にみつけたもの

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  • サイズ 文庫判/ページ数 247p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480030177
  • NDC分類 051
  • Cコード C0136

内容説明

モノの消費から記号の消費へ、「進歩」から「差異化」へ、男の子の夢から女の子の夢へ。『りぼん』のふろくがファンシー化を開始する’74年は高度成長の時代と消費社会の時代のちょうど境界に位置する時間である。〈物語〉と〈商品〉の間に成立した〈ふろく〉を通して、80年代〈消費社会〉誕生の光景を描く。田渕由美子、陸奥A子への10の質問を付す。

目次

第1章 鉄腕アトムの死んだ日―「1974年」という光景
第2章 紙の中からのフランス窓便り―“乙女ちっく”ふろくの変遷
第3章 おしゃべりな瞳に目を伏せて―「少女」の内面の発見と“乙女ちっく”派
第4章 その後のなっちゃんたち―ふろくが予言した’80年代

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スノーマン

32
陸奥A子からこの本に行き着いたけど、私の読んでいたりぼんの時代の手前やったので、時代背景や分析もその時代を知っていればもっと楽しめたかも。私には、ただただ、ヘェ〜という客観的な感想しか出せなくて残念。気づけばサンリオのファンシー小物が身の回りにあふれ、付録も質が良くなりつつあった自分の時代は恵まれていたのかな。ちょうどど真ん中の世代には、りぼんの作品や付録により乙女心の導火線着火!みたいな人もいたのかもなぁ〜。2016/08/27

サイバーパンツ

11
内なる〈少女=わたし〉をモノに託し外部に越境させようとして作られた〈かわいい〉という記号的価値が、差異化のゲームの中で自己否定せざるを得なくなり葬られていく少し前、高度成長から消費社会、進化から差異化、モノから記号への移行期に現れたサンリオや『りぼん』のふろくを80年代消費社会の先駆けとして分析した本。少女民俗学→かわいい天皇へ行く前に、連赤本と並行して読むのがおすすめ。いつもシニカルな大塚英志だが、こと少女漫画語りに関しては熱が入っているのは新鮮で面白い。2018/07/20

ガジ

1
読んでる本、登録まちがい!!第二章で乙女ちっくの隆盛が語られているけれど、それが終焉していくことについて、もう少し議論すべきでは?乙女ちっくのふろくの歴史やそれぞれの作家の特徴は面白く読めたけど、終焉して娘にこっそり名前をつける、または当時の世代のほとんどがキャリアウーマンになって少女を封印している、そこを議論すべきでしょ。大塚が幻想、宮台が断念と表すの、私は納得できないな。そのどちらでもないよ、幻想じゃなくて幻滅で断念じゃなくて絶望でしょ。2022/06/18

MrO

1
りぼんのふろくと言われて、郷愁とともにあのキラキラした時代を思い出するのは、今、50〜60歳くらいの10年間ほどの、りぼんの50年間の歴史の中にあっても、とても狭い世代であるらしい。冷静に振り返ってみれば、単なる紙製の、イラストがついているだけのふろくが、なんであの頃、あんなにおしゃれだったのだろう。ああしたおしゃれグッズが、バブルと共に、現実の社会に登場する前の、ほんの一時期、少女たちは、あの付録で、これからやってくる狂騒の時代の予行演習をしたのだろうか。2021/04/04

Nekotch

1
自分の読んでた時代の少し前の頃の話。ふろくたのしかったなーっていろいろ思い出した。りぼんに夢中なころはよかったなあ。2013/07/21

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