内容説明
ネコもネズミもゾウも、おおむねヒトと同じようなからだを持っている。それはなぜか。発生の課程で、精巣は降下し外へ出る。ならば、ヒトのからだの原形は、女なのか。眼は眼を見ることができるのか。脳が脳を考えて、なにがわかるのか。ヒトの脳の中から、自らのからだを含めた「自然」の実在感が失われつつある現代に、モノとヒトとを見つめながら、独創的な思考を展開する著者の記念碑的エッセイ集。サントリー学芸賞受賞。
目次
1(女のかたち・男のかたち;耳はいかにして耳となったか;意識化されにくい感覚 ほか)
2(脳とこころの並行関係;医学における「知」;医学は科学か ほか)
3(色気の論理;メスの刃先;骨のある風景 ほか)