内容説明
さて、病気である。このところ、いろいろな趣味を持つ御人が多いようだが、病気を趣味にすることこそ究極の愉しみといえるだろう。病気を敵視し、憎み、戦うばかりでなく、冷静に観察し、いっそこれと親しむ。ヒトの進化はここまで来たのだ。水虫も腹痛も脱毛症もガンだって愉しめる。別役流病気を趣味にする法。
目次
序 病気の時代
風邪
腹痛
花粉症
歯痛
水虫
梅毒
不眠症
しゃっくり
すり傷〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネロリ
7
誰か、このおじさんを止めて欲しいと思いながら読んでいた。しゃっくりを「宇宙に存在する知的生命体の、我々に対する通信活動の一種ではないか」と言い、「花粉症が、異なる種同士の性的コミュニケーションの可能性を予感させるものであることは、今のところ誰にも否定出来ない。」と。私、花粉症なんですけど… 2012/02/11
ギルヲ
2
うわぁ。これ同じ内容を今SNSで発信したら大炎上間違いなし。病気を趣味・道楽とする立場から「風邪」「腹痛」から「エイズ」「がん」「天然痘」といった命に関わる病気、「出産」「馬鹿」「同性愛」といったそれ病気じゃないだろうというものまでを論評しています。梅毒を、「いつか一度は罹ってみたいものだ」と憧れる病気の一つだとか、「ポックリ病」(この病名最近聞きませんね)で死ぬ瞬間、聴診器を喉にあてると『ポックリ』という音がするだとか、真面目な筆致でとんでもないことを延々と言ってます。終始ニヤニヤしながら読みました。2020/10/30