ちくま文庫<br> 失われた時を求めて〈2 第2篇〉花咲く乙女たちのかげに 1

ちくま文庫
失われた時を求めて〈2 第2篇〉花咲く乙女たちのかげに 1

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  • サイズ 文庫判/ページ数 471p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784480027221
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

70
語り手が少年に変わるので戸惑いましたが、回想という形だったのですね。スワンの娘ジルベルトへの恋心とその挫折が語られていきます。幸福な方向へ向かおうとすれば幸せがつかめたはずなのに、違う道を歩んでいく様子はしんどさを感じました。距離を置かれようとしても、その想いに対して妄想を抱くのは恋心の所以でしょうか。この恋がどのような行方へ向かうのか続きも読みます。2018/04/30

22
スワンの娘ジルベルトとの淡い恋と別れ、憧れの作家ベルゴットと出会ったことによる大きな感化、そして、2年後の避暑地バルベックへの旅と新たな恋の兆しが描かれる。ちょっとした環境の変化にもダメージを受けるほど繊細な主人公だが、その人並み外れた感受性の強さが、今後才能として大きく花開きそうな予感。ジルベルトとの気持ちのすれ違いは、1巻終盤のスワンとオデットの関係を思い出させる。しかし、異性に対する印象の語り、妄想を文学的につらつらと綴られると、何かこそばゆい。2014/11/09

Ryuko

21
スワンの娘ジルベルトへの恋心。だんだん距離を置かれようとしていることにひしひしと気づく語り手。彼女に冷たくして彼女に請われてみたいと妄想する。だけど妄想は妄想のまま終わってしまう。こうざっとすじを書くとジュニア小説みたいなのだけど、その合間に絵画、小説の登場人物などが挿入され、なんだか格調高いのである。一文の長さになれてきて行きつ戻りつしながら読むのが楽しい。巻末の訳注もいいですね。2015/10/22

かふ

19
ちょっと頓挫したのでドゥルーズ『プルーストとシーニュ』を燃料投下。昔読んでいたのだがすっかり忘れていた。欲望機械ということです。過去の回想ではなく、未来を欲望していく文学機械というのが、無意識的過去の回想物語というのとは違った視点。開かられた文学。創造的進化。読書機械という状態でどんどん読む本を広げてしまう。不完全燃焼ばかり。以下、https://note.com/aoyadokari/n/n089ddebb120e2022/01/31

チェ・ブンブン

19
社交界にうんざりし、ジルベルトとの刺激的な生活を再び戻そうとするが、スワン自身が社交界の人間と成り果て元へ戻れなくなる葛藤。その追い求める精神が384pで記述される、傑作は総和の外にあるから予見できないというところに繋がっているのだろう。2013/10/18

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