ちくま文庫<br> 好物漫遊記

ちくま文庫
好物漫遊記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 222p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784480026538
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

コーモリ傘、ブランコ、そして映画に芝居、紙相撲に化物屋敷。見なれた物がいつのまにか別の世界への案内者になってゆく不思議。駅、そして港の眺めから甦る怪しい過去の時間。とめどなく酒を飲む男はどこに行ったのか?酔った朝見た白々として光景はどこだったのか?出会った物や人たちがしだいに「好きな物」「このみの風景」に変容してゆく感覚と文章のマジックの世界。

目次

蝙蝠傘の使い方
月光天文台の方
月島もんじゃ考
ああ乞食バクチ
天国と地獄
恐怖!ラドン鉱泉
盃底の舞妓
大阪バロック症候群
オキュパイド・ジャパン〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

feodor

5
種村さんの本は、昔は翻訳本とかオカルト系のものばかりだったけれども、このところはエッセイが好物になってきた。ひたすら飲み歩くのも、私の感覚としては唖然とする感じで、「李白一斗詩百篇」では都内を山梨県境から千葉県境まではしごして行ってしまう偉人の話であったり、あるいは梯子しながら行ったために湯河原から東京をひたすら酔っ払いながら往復しつつ、二俣川にたどりつけないという話……抱腹絶倒であった。2011/02/15

HANA

5
蝙蝠傘で砂糖を盗んだり、三次で化物屋敷を探したり、巣鴨サンシャインで人穴を幻視したり。物を媒介として自由闊達に想像の翼を広げたエッセイ集。錬金術や詐欺師、美術論もいいけどこういった軽いエッセイにこそ著者の本領が出ているように思えた。2010/10/28

satoshi

4
古今東西の書物に通じ,該博な知識を持つ種村さんだから,昼の町に化け物屋敷を見出したりできるのだなあ。書物や絵画の中へ中へと深く潜る内側に向いたベクトルが外の世界を変えていく。書を捨てて町へ出るためには,捨てられるだけの書がないといけないのだ。2010/12/07

三月★うさぎ

4
こういう人に、私はなりたい。2010/11/16

bunca

2
戦後間もなく出回った薬用アルコールにサッカリン、花ガツオの煮汁をぶち込んで作ったカルヴァドスの威力、恐ろしや。中央線高尾駅から各駅で降りながら飲み屋を制覇していき、新宿まで到達した挙句北千住、浅草、本郷、そして下北沢で締めるという脅威の飲酒話が面白かったです。2010/12/04

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