内容説明
現代洋画界の第一人者による文庫判初のエッセイ集。日本洋画の黎明期より女流画家として苦難の道を切り拓いてきた著者が、自らの辿った足跡を、真摯に余すところなく綴った情熱ほとばしるエッセイ集。女流画家の置かれた立場、画壇の風潮、夫・好太郎のこと、絵画のみに専念する心の動きから、花を愛してやまない心根までを著者ならではの濃密な文章で吐露する。
目次
第1章 花より花らしく(静物画家の独白;デッサンについて;天草の旅 ほか)
第2章 南欧日記(日本への訣別;城館めぐり;花の旅;車の旅 ほか)
第3章 画家の領分(女流画家の歴史;不幸な絵;画家の領分 ほか)
第4章 三岸好太郎抄(三岸好太郎に関するノオト;死の鬼気;亡夫が生きる美術館 ほか)