ちくま文庫<br> アナイス・ニンの日記 1931~34―ヘンリー・ミラーとパリで

ちくま文庫
アナイス・ニンの日記 1931~34―ヘンリー・ミラーとパリで

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  • サイズ 文庫判/ページ数 648p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784480025272
  • NDC分類 935
  • Cコード C0198

内容説明

出奔した父をとり戻すために、投函されない手紙として書きはじめられた日記は次第に自分自身が生きてゆくための常備薬になってゆく。自己とは何かを問いつづけ、自身に素直になろうとし、同時に女として成熟しようとする苦悩を綴った1931~1934年、アナイスが20代後半の女ざかりを謳歌していた時期の記録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あ げ こ

13
自己強化、自己浄化。手入れ、潜伏、探究…反芻の場、昇華の場、肯定の場、否定の場。不可欠なもの。依るべきもの。矢川澄子にとっての神様のようなもの。対話の場、吐露の場、発露の場、安寧の場。決定の場、逡巡の場。甘え、委ね、必要とするもの。潜り込み、包まり、向き合うべきもの、縋るべきもの。代替不可能であるもの。絶対的なもの。生であり、その結晶であるもの。彼女を必要とする多くの男性達が、憎み、妬んだもの。彼女は与え、満たし、創り、纏め、守るけれど、彼女自身が満ちる事はない。演じ、惑い、悩むけれど、枯渇する事はない。2016/04/17

りりり

7
日記なのに一つの長編作品になっていることがすごい。 中でもジューンと関わっていた時期と、妊娠してからの時期の記述がとても印象的だった。2015/10/31

Yuki Ban

6
とても豊かだ。読了するのに、作者アナイスが尊敬するドストエフスキーの「白痴」よりも長い期間かかった。神経症を患う作者は、精神医学博士の元に療養しにいく。だが、人間性を取りこぼすつめたい精神分析をするアランディ博士からは辞去。作者の美貌と知性にゾッコンになったのか幼稚な行いをした芸術に理解のあるランク博士からも辞去。結局、作者にとっての薬は日記であったのだ。敬愛するヘンリーミラーから大いに影響されたボヘミアンな生活の描写が印象に残る。カフェでの語らい、情事、麻薬、行き来する手紙、淫売、貧困やシチューの匂い。2019/08/13

ぞう

0
アニーに再度惚れこんでしまった・・・才能があって美しくて頭も良くて、いいなぁ。「フロイトを誘惑したい」はアニーだからこそ言える。そして終盤の出産についての記述もアニーならではの感覚で凄かった。無修正版も読みたいし、他の日記も読みたい。2011/04/20

澤水月

0
971001

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