内容説明
幼児教育の現場で働く保育者として、子どもの発達を見つめてきた藤村氏と、社会教育の現場で働く公民館職員として主婦の問題を考えてきた伊藤氏が、お互いの問題を「育児」という場で照らしあいつつ考えた本。育児の力というものは天与のものではなく、現実の子どもを見、感じとっていくなかで学び、はじめて獲得できるものであり、そのためには「子どもを育てながら自分を育てていくこと」、そして、親も子も「人とのかかわりのなかで育つこと」が大事だということを、具体的な場面から、わかりやすく説き起こしている。
目次
1 育児と暮らし(いま、母と子は;親の暮らしと育児;人とのかかわりの中で)
2 子どもを見る眼(見えにくい発達をみつめて;子どもを育てる場面;知的な力と共感関係;人間らしい論理性 ほか)
3 子どもの心が育つ道(関係を育てる視点;期待のシステム)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まーたろ
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初出はなんと35年前。なのに意外と内容が古くなってない。現代日本の問題って当時からずっと変わってないのか。子供を健やかに育てていくには親も育たねばならない、という流れが何度も出てきて、耳が痛かった。ただ、登園して朝の挨拶を「目と目が合って実質的な挨拶はもうすんでいるのに、かたちをきちんとしたいいお行儀の挨拶をさせないと気がすまない母親」を「事実をしっかりとらえる目」が育っていないと言われると、「それは違う」と言いたくなるのですが。2016/02/01
pepin
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「自分が人間として育つことと子どもを人間として育てること」 「かかわりの中で育つ、かかわりを育てる」 妊娠すること、出産すること、不安は自分に育児が出来るのだろうかということだった。人とかかわらないように生きていたから、まさにこの本に書かれていることを欲していた。 孤育ては嫌だし、無理だ。 人と社会とかかわりながら育児がしたい。 ひとり付きっきりなら託児しなくていいかじゃなく、だからこその集団生活での学習。保育園気にしてみる。2011/09/12