内容説明
修学旅行でイタズラされて以来マゾになってしまった男の子、モデルをやってどんどん性格が悪くなる自分が不安な女子大生、可愛かった彼女がデブになってしまい困っている高校生、自殺したいのにどうしてもうまくいかない主婦、単身赴任から帰ってきたら家族に相手にしてもらえないサラリーマン…。80年代日本人類の悩みと困惑、狼狽と悲劇に立ち向かい、相談者に決断をうながす、愛と勇気の青空人生相談!
目次
10代の悩み
20代前半の悩み
20代後半の悩み
30代の悩み
40代・50代の悩み
回答者の悩み
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
26
ぼちぼち橋本治の再読を始めようと思って、真っ先に手に取ったのがこれだった。人生相談には、答えるほうの人間性が現れる。橋本治の回答は、とても真摯で、甘えを許さず、やさしくて、楽しくて、正しい。正直言って、現代の目で読めば炎上しかねない厳しさと乱暴さもある。通じない冗談もある。でも、ひとが本気で悩んでいる時には、回答者もまた本気で応じるしかない、と橋本治が腹をくくっていることも伝わるのだ。ほんとうにすごい本。10代で読めてよかったと思う。2019/02/09
朝日堂
21
こんなことを言ってしまうと元も子もないが、学生たちの悩みに答える筆者の言葉がおもしろくない。学生たちの悩みのレベルが低いのもわかるが、バカ呼ばわりして目くじらを立てるほど筆者は達観しているのか?巻末で「文章書いてる時なんか平気でお釈迦様になれちゃうけど、それやめちゃったら、ただの孫悟空でしょ、自分は」と書いているのだから達観しているのだろう。同じ人生相談モノならば、開高健『風に訊け』や田村隆一『ぼくの人生案内』村上春樹『村上さんに聞いてみようシリーズ』深沢七郎『人間滅亡的人生案内』の方が私には良薬である。2013/07/22
あや
14
【図書館】私が生まれる前に出版された本。変わるものもあれば、変わらないものもある。2015/11/05
日々珠
14
卒業した名物先輩と差し向かいで飲んだような本。絶好調の名調子、惚れ惚れするような本。どうしてそこまで分かるんですか!橋本治先生!そんな世界、知りませんでした!2012/01/12
てらこ
11
発行は1980年代。橋本節が冴えわたる、今の時代には過激すぎる回答の数々。怖いもの見たさで自分も相談してみたいな〜と思いますが、もう叶わないのが残念です。本書には、年代に関わらず自分にも重なるお悩みがちらほら。数年後に読んだらまた違う相談者に共感できそうです。2021/01/30