ちくま文庫<br> 香港世界

ちくま文庫
香港世界

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  • サイズ 文庫判/ページ数 285p
  • 商品コード 9784480021069
  • NDC分類 292.239

内容説明

過激なワンダー・シティ香港。「借りものの土地、借りものの時間」に生きる香港の人々は、しなやかでしたたか、常にインターナショナルである。この街に暮し、この街を愛する、唯一の香港主義者(ホンコニスト)が、独自の観察眼で、その雑踏の魅力をあますところなく伝える痛快な路上エッセイ集。

目次

1 「慕情」の島(飲茶の誘惑;天星小輪・双層巴士;オーシャン・ターミナル)
2 香港街路考(電影;高密度都市;犯罪者たち)
3 香港対話篇(猫枕の夢;香港的しぐさ;香港的体験)
4 香港人の素顔(ロレッタの青春;ドミニクの日本体験;出口なし)
5 香港トワイライト(深〓;九龍城)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

30
香港は初めての外国ではないけど、仕事を離れ、初めて自分で考え、自分の足で歩き回った場所。著者山口文憲が香港世界に浸ってから数年後、僅か一週間弱に過ぎないが同じ熱気に触れた。40年近く前の話し。天星小輪で海を渡り、油麻地の街市を巡り、彌敦道のレコード店で鄧麗君のライブ録音盤を求めた。香港返還が視野に入り始めたこの頃の”借り物の場所、借り物の時間”の織り成す人間模様を著者は深く鮮やかに切り取って見せる。現地住民を装ってさり気なく街を歩いたが背後から「シャチョウ!」と呼ぶ客引きの声。がっかりしたのを思い出す。 2018/11/04

ごま

22
沢木耕太郎さんの「深夜特急」に山口さんとの対談が載っていたので再読。1977年ごろ、と書いてあるのでざっと35年ほど前の香港。非おしゃれ志向でパジャマで平気で街中を歩いている人がいる、とか犬鍋(!!)とか、「え、それは本当に香港のこと?」と思う記述が満載。イギリス統治下にあった香港は、今よりずっと富裕層と貧困層に差があったんだろうなぁとつくづく思った。大丸など、もう存在しない場所が出てくる一方で、オーシャンターミナルやペニンシュラも登場し、よく知っている人の知らない一面を見たようで興味深かった。2013/05/23

羊の国のひつじ

8
ディープな香港を知ることができる。ニセ中国人の在り方や、映画館で一同がアイヤーッ(映画に対しての感情的な反応)という情景など面白い。香港やその他アジア諸国、ヨーロッパにもある街市(市場)が日本にない理由はなぜなんだろう。犬鍋を食べることも驚いた。動物愛護の観点から現在は食べない家庭が増えてそう。2019/01/20

紗英

3
(図書館)九龍城砦の話が出てきた大学の授業をのことをふと思い出したが、九龍城砦以外のことを知らなかったので読んでみた。観光ではきっとわからない香港の生活が細やかに記されている。自分が知らない時代、行ったことがない地域の景色が浮かんで楽しい。2022/06/09

shrzr

3
ガイドブックとしては全く役に立たないけれど、ふと訪れた香港を、縁もゆかりもないのに忘れられない魅力ある街にするのに、これほど役に立つ本はないでしょう。2012/09/30

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