ちくま文庫<br> 中世文学集〈3〉エッダ;グレティルのサガ

ちくま文庫
中世文学集〈3〉エッダ;グレティルのサガ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 377p
  • 商品コード 9784480020772
  • NDC分類 949.4

内容説明

ノルウェーとアイスランドの地に、8世紀から13世紀にかけて成立した頭韻詩「エッダ」は、遠い父祖の時代から語りつがれた、神話と英雄伝説から成る壮大な物語である。同じく、アイスランドの地に、12世紀から13世紀にかけて成立した「サガ」は、ヴァイキングの豪傑、グレティルの悲劇的生涯についての口承物語である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

syaori

41
北欧神話『エッダ』の約5分の2と『グレティルのサガ』が収められています。『エッダ』は抄訳ですが、いくさの父オーディンや雷神トール、トリックスターのような役回りのロキなど、その雰囲気は十分味わえるように思います。シグルド(ジークフリート)とその一族を詠った部分は、シグルドの死に際したグドルーン(クリエムヒルト)の悲鳴に笑うブリュンヒルドや兄の敵を取るグドルーンなど、女性たちが『ニーベルンゲンの歌』とはまた違った印象で興味深く読みました。一匹狼の好漢の武勇と悲劇の生涯を詠う『グレティルのサガ』はもう大変好き。2017/05/19

shikashika555

36
ニーベルンゲンの歌や指輪物語の元になったエッダの章、あの壮大な物語が こーんなしょーむないことが発端だったのかと驚く。神々の些細で人間的なええ加減さが壮大な悲劇や英雄譚を産む。 サガ。かの国の人と本邦人は顔貌が似ていると感じていたのだが、根っこにある価値観が大きく違うと感じた。 力、である。なにを置いても力が正義なのだ。 力あるものが英雄となり語り継がれる。 しかしこの頃は本邦でも平清盛台頭から鎌倉時代と 力が正義であった時代だと思い当たる。 老母の知恵や盟神探湯など、共通する点は興味深い。 2020/05/11

shou

6
北欧神話のエッダは世界のスケール感が面白い。サガはアイスランドの英雄譚。ロマンスや冒険風味よりも厳しい自然と血生臭さでいかにも。2017/03/07

鐵太郎

6
前半のエッダは、北欧神話を構成するサガの一つ。松谷さんの生き生きした翻訳文が、注釈だらけの古文を読みやすくしてくれる。昔抄訳で読んだエッダが、こんな日本文で読めて嬉しい。後半はグレティルというアイスランドに生きた伝説の無頼漢の物語。このクレティルという無法者にシンパシーが感じられなかったので、物語は面白いが彼が死ぬまでいらいらしながら読む羽目に。(笑)2016/05/21

tieckP(ティークP)

3
アイスランドは人口が少ないのに文芸が盛んなことで知られる。エッダとサーガは伝承の部類。人名がずらっと出てくると読みづまるけど、話はかなり面白い。エッダの荒唐無稽さも、サーガの人の延長としての英雄っぷりも、どちらも好ましい。2011/07/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/541293
  • ご注意事項