内容説明
1960年10月29日、ひとりの高校生が横浜から船でアメリカへ出発した。人の世話になるのは、飼いならされるのはいやだ…自分の資質と能力だけをたのみ、その限界に挑戦しつづけ、23歳で鈴鹿サーキットに散った伝説のレーサー浮谷東次郎が、2年半のアメリカ放浪のなかで発見したものは何か。ニューヨークの苦闘、ロスの解放感、ホンダCB77で疾走した大陸横断―手紙と日記による青春の実像。
目次
横浜よりニューヨークまで
ジャマイカ時代
ニューヨークの一人暮し
アメリカのあちこちより
カレッジ入学まで
マウント・サン・アントニオ・カレッジ時代
大陸横断・オートバイの一人旅
帰国まで
著者等紹介
浮谷東次郎[ウキヤトウジロウ]
1942年、千葉県市川市に生まれる。1957年、市川・大阪往復1500キロのバイクツーリング。1960~63年、滞米。帰国後レーサーとして鮮烈なデビュー。1965年8月20日、鈴鹿サーキットで練習中事故。翌日死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Satoshi
9
裕福なお坊っちゃまのアメリカ日記。とにかく、若さを感じる。ケネディ大統領暗殺前、ベトナム戦争泥沼前、浅間山荘事件前の若いエネルギーが肯定された時代であり、アメリカも日本も元気だった。2023/06/28
カワセミ440
3
久しぶりに再読、面白かった。昔はそれに気付かなかったんだけど。18歳の少年が単身米国に。1$が360円の時代だ。クソ生意気で、でもシャイで、こんな事でもなければ一生私たちの目に触れる事の無かったであろう東次郎の日記や手紙。事故もなく成長したのならどんな大人になったんだろう?ちょっと興味が湧くね。日記や家族に向けての文章なんだけど、自分の考えを持った男の子だな、唯のお金持ちのボンボンじゃなさそうだ。レーサーの才能っていう意味では??な部分が多いらしいけど、生沢徹との対決をヨーロッパでF2で見てみたかったな。2015/03/08
まつひろ
2
未成年にして真に独立している。アメリカでヒッチハイクして、仕事にも就く。自分の思想をはっきりいうことは、年齢にかかわらず大切な能力。早世が惜しまれてならない。2018/06/25
tetuneco
2
コメントに困るな。2010/05/01
むさし猫
1
日記と手紙で構成されているため大変読みにくい。。が、そのことで東次郎の情熱や志しがリアルに伝わってきます。文中の所どころに鋭い洞察力があり、その強い意志とともにこの青年の「天才」を感じました。2014/08/04