ちくま文庫<br> 表層批評宣言

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ちくま文庫
表層批評宣言

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  • サイズ 文庫判/ページ数 254p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480020314
  • NDC分類 914.6

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社トリスタの提供する「読書メーター」によるものです。

らぱん

49
愉快だ。自嘲するような物言いが洒脱で蓮實重彦は蓮實重彦なのだと確認した。一文が長くだらだらと続き、頁を跨ぎ30行に及ぶものさえあるが、そこには吟味されたと思しき語彙とそれに合うリズムがあり不思議に心地良い。 何かを言っているようで何も言っていない、あるいは何かを言っているようなふりをしているような「持って回った言い方」のお手本のごとき文体で、理屈を捏ね繰り回す。表現は辛辣だが受ける印象は温かく、形式や概念に惑わされるな、言葉に囚われるな、生まれたての状態で驚け、といった愛情を「勝手に」有難く受け取った。↓2020/01/09

ころこ

36
何が困るかって、言葉の洪水になかなか深層に潜れないようになっていて、その深層も表層に張り巡らされた言葉の一部であり、実は深層だと考えていたものは表層と考えていたものと何が違うのだろうと迷うことです。「あとがき」で表層批評を「肉体的エンターテイメント」と表現している傍から、リリー・フランキーにしか見えないカバーの著者近影は、肉体というにはあまりにも貧弱な、肉体の不在としか言いようのない相貌をしています。しかし5つの文章とも共通して、ある長さを読んでいくと論旨は案外明快になります。「制度」(あるいは装置)とい2021/01/10

シッダ@涅槃

20
[圖書館本。読了。疲れた]この本を前にすると何も言えなくなってしまう気がする。その「何も言えなさ」に対する不自由さ、苛立ちによってのみ、筆者と共有できるなにかを持てる気がしている。あとがきのファンキーさ、自筆年譜(寝る前にほくそ笑みながら読んでいる)の艶めかしさがよい。このジジイ(執筆当時はおっさん)、ツンデレである。[追記]冗談めかしてファンキーだの、ツンデレだの書いたが、本論を読むと「なにやっても無駄だよ」といった不能感やニヒリズムに陥りそうになるので、蓮實氏自身が回避(というより逃走)の実例かも。2016/09/16

zumi

14
クールなようでいて、実はアツイ。下準備をすることなしに「出会い」として提示されたものに「不意撃ち」されること、それこそが「批評」なのではないだろうか。「作品」ーー読まれることを前提とし、言葉と紙が事件として遭遇する場所ーーが存在してしまうこと、しかもそれが絶えず更新されること、このことに我々は不気味なものを覚え、目眩を感じるのだ。その出会いは最早、「狂気」以外の何物でもない。不条理な苛立ちと無力感は時に美しい。意識・思想・観念の表現・反映ではなく、その露呈された表層、生々しい言葉を読むのだ。2014/04/01

しゅん

12
「権力とは、それがいかなる政治体制下にかたちづくられるものであれ、具体性と抽象とのこの上なく精緻な交換装置なのである。そして、不幸なことに、わたし自身をも含めて、人は、ほぼ例外なく、この交換装置とほぼ同質の装置をいささか小規模に装填した思考装置たることをまぬがれてはいないのである」。蓮實の視線がどこに向かっていたかは上の引用部がクリアに表現している。故に、何の交換も起こらない、あるいは意図的に交換を無視した具体的な体験を志向した。只只、今ここで起こり始めていることに身を任せる。愚鈍で赤裸々な上っ面。2016/11/08

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