内容説明
人間の「タテの発達」(個別化)と「ヨコの発達」(社会化)は、適当に均衡している必要がある。しかし現代では、タテ軸の目標ばかりが強調され、ヨコ軸は犠牲にされやすい。不登校現象はそのひとつの結果と考える。それゆえ、ヨコ軸に属する「信頼・経験・社会性・生活・生命・生き方」などを補強することが、不登校問題に対するさまざまな支援の根本原理となる。本書は、不登校支援論をとおして、人間のもっとも人間らしいあり方について考えさせるユニークな「人間学」の書でもある。
目次
第1章 不登校とは―その人間学的理解と治療論的方向づけ
第2章 肥満の克服によって回復した事例―母親面接による支援
第3章 学級に通う―学級と相談室の連携による支援
第4章 教師が変わるとき―学校における支援
第5章 家族とのかかわり―家族療法的支援
第6章 生活をともに―生活療法的支援
第7章 「ヨコ体験グループ」について―グループ・アプローチによる支援
第8章 不登校と現代―生命性の回復に向けて