内容説明
「子は怪力乱神を語らず」…孔子の言葉とは裏腹に、中国では古来さまざまな「幻想ものがたり」が作られてきた。現実の地平を超えてファンタジックに繰り広げられる「怪力乱神」の物語世界を“夢”“恋”“怪異”をキーワードに説き明かす、中国幻想文学案内。
目次
夢の巻(古代の夢ものがたり;宝島の夢;分身の夢 ほか)
恋の巻(古代の恋;報われぬ恋;恋の追跡 ほか)
怪異の巻(器物の怪;花の怪;虎の怪 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アカツキ
13
夢、恋、怪異の3部構成で中国の文言小説、白話小説、元代以降に作られた戯曲を紹介した本。一つ一つ話のあらすじが書かれていて親切。読んでいるうちにまた中国古典の世界に浸りたくなった。悲恋が幸せな結末の物語に改変された話が出てくるというのは、昔にも私のようなハッピーエンド中毒の人がいるんだと思うと親近感を覚える。2024/11/24
竜王五代の人
2
中国の怪談奇談の興味深い紹介エッセイ。付喪神のたぐいとか宝島のたぐいが少ないなどお国柄の話も。ただ、お国柄と言えば大家族制度だと思うが、井波先生は中国の専門過ぎて当たり前になっているのかも。2024/05/05