内容説明
日本の近代史の中で見逃すことのできない意味を持つ英語の学習と英米文化受容の歴史を、編者が20数年かけて収集した資料によってあとづけたシリーズの完結編。日本の開国を促した米国の補鯨の歴史と日本からの漂流民の足跡、幕府の遣米使節の異文化接触、明治初期の英語学習熱、福沢諭吉と慶応義塾、学校制度の変遷、新渡戸・内村・漱石(帝国英文科初の日本人教授)の活動などを、米国のものを含む膨大な資料と、それをふまえた興味深い解説によって、克明にたどる。
目次
鯨捕りと漂流民たち―日本を取りまく国際情勢
それぞれの異文化体験―アメリカ人と日本人
夷狄感克服へ、試練の旅
幕末の福沢諭吉―蘭学から英学へ
慶応義塾の成立―日本国中の人、商工農士の差別なく、洋学に志あらん者は来り学ぶべし
明治の官学―英学本位制の確立
明治初期の英学私塾―英学は殊に民間より発達せり
文明開化と英学―洋学でなけりあア、夜はあけねへヨ
明治の英語教師 夏目漱石―外国語の知識は学問を修する只一の器械