「知の再発見」双書 レンブラント―光と影の魔術師

ボナフー，パスカル【著】〈Ｂｏｎａｆｏｕｘ，Ｐａｓｃａｌ〉/高階 秀爾【監修】/村上 尚子【訳】

創元社（2001/09発売）

• サイズ B6判／ページ数 173p／高さ 18cm
• 商品コード 9784422211589
• NDC分類 723.359
• Cコード C0371

出版社内容情報

【解説】
西洋美術史上、最大の巨匠の一人であり、ゴッホを始めとする後世の天才芸術家たちからも、特別な尊敬を受けつづけてきた「光と影の魔術師」レンブラント。華麗な明暗法を駆使し、当代一の人気画家としてそのキャリアをスタートさせた彼は、しだいに大衆の要求から離れ、孤高の後半生を歩むことになる。栄光のあとの没落と破産、愛する妻や子との死別に苦しみながら、しかしひと時も描くことをやめなかった真の芸術家の魂の記録。

【目次】
第1章　「黄金の世紀」の始まり
第2章　光の時代
第3章　影の時代
第4章　ただ、自らを見つめて
資料篇 巨匠の実像を追う
レンブラントの生涯
画家たちのレンブラント評
小説・レンブラント
競売用に作成された、レンブラントの資産一覧
レンブラント略年譜

内容説明

１６５８年、意欲の証だった豪邸もコレクションも失いながらなおもレンブラントは自画像を描き続けていた。

目次

第１章　「黄金の世紀」の始まり
第２章　光の時代
第３章　影の時代
第４章　ただ、自らを見つめて
資料篇―巨匠の実像を追う（レンブラントの生涯；画家たちのレンブラント評；贋作の判定；小説・レンブラント；競売用に作成された、レンブラントの資産一覧）

著者等紹介

ボナフー，パスカル［ボナフー，パスカル］［Ｂｏｎａｆｏｕｘ，Ｐａｓｃａｌ］
１９４９年生まれ。作家・美術史家。小説の執筆の他、とくに自画像をテーマとしたエッセイを発表

高階秀爾［タカシナシュウジ］
１９３２年生まれ。東京大学教養学部卒。東京大学名誉教授

村上尚子［ムラカミナオコ］
１９５１年生まれ。東京大学教養学部教養学科フランス分科卒。仏文翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[KAZOO]

レンブラントは高校のときの教科書に光と影の画家ということで評論が掲載されていて読んでから好きになって今に至っています。光の画家のゴッホが賞賛しています。この本ではかなり彼の作品がカラフルに掲載されていて、かれの生涯が本当に光と影のような感じで記されています。ラ・トゥール、フェルメールともに光と影の使い方がうまい画家です。

2017/05/16

[財布にジャック]

読み終わった後に、表紙に書かれた「光と影の魔術師」という副題を見てドキッとしました。勿論これはレンブラントの絵画に対する副題なんですが、この本に書かれた彼の人生がまさにこの副題どおり光と影の両極端な生涯なんです。ゴッホがその手紙の中で「レンブラントはまさに魔術師と呼ばれるべき人物だ」と評している程、才能溢れる画家さんです。しかし、次から次へと妻子に先立たれて最期は孤独だったのが悲しすぎます。

2011/03/08

[Naoto Ono]

レンブラントの絵は本当にすごい。緻密なタッチと粗いタッチを使い分けてることが画面の印象が柔らかくなり、すべてを緻密に描こうとしている画家よりも、人物の内面性の表出という点でリアリティを醸成している。画面全体を覆う淡い光と影もレンブラントならではの美しさ。 レンブラントは、若いうちからその才能を見出され輝かしい栄光を授かるが、注文主よりも自身の美的感覚を優先するあまり、次第に注文が減り、自身の浪費癖もあって晩年には金銭的に辛い生活を送る。彼の人生を知った後で見る晩年の自画像はなんと味わい深いことか。

2019/04/05

[月と星]

★★★好きな人の好きな画家。本当に美しい絵画ばかり。なぜかいつも悲しいイメージ。レンブラントの人生が映し出されている作品が多い。光を引き立たせる影の方に興味がわきます。

2011/04/29

[ツキノ]

「絵で読む世界文化史」シリーズ。図書館にあるのはありがたい。レンブラントの一生ょを作品を通して見通せる。ところでファーストネームの「レンブラント」と呼ばれている訳がわかった。簡単に言うと署名がそのように変わったからなのだ。資料としてレンブラントの生涯、ゴッホが弟に宛てた手紙の中から抜粋したレンブラント評、競売用に作成されたレンブラントの資産一覧まである。堪能した。オランダに再訪したい。

2012/08/17