内容説明
非行を対人関係における暴力という枠組みでとらえ、非行臨床の現場における実践と、米国における新たな非行理論による理解とを武器に、今、非行少年に社会としてどう働きかけるかを模索した書。
目次
第1章 非行少年のタイプ
第2章 性犯罪少年はモンスターか
第3章 薬物乱用の快感と泥沼
第4章 少女売春の不易と流行
第5章 少年と暴力
第6章 少年非行における人格要因とリスクアセスメント
第7章 非行少年における被害体験と加害行動
第8章 何が非行少年を作り出すのか
第9章 犯罪行動を変化させるには―おわりに代えて
著者等紹介
藤岡淳子[フジオカジュンコ]
1979年上智大学文学部卒業。1981年上智大学大学院博士前期課程修了。1988年南イリノイ大学大学院修士課程修了。府中刑務所首席矯正処遇官、宇都宮少年鑑別所首席専門官を経て、現在、多摩少年院教育調査官。専攻は心理学、司法行政学
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感想・レビュー
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anchic
5
仕事の参考として読みました。最初の方が少し参考になった他はすでに知っている内容であったりしたので全体としては要らなかった気がします。所詮心理技官は国Ⅰ心理職か院卒心理技官で少年院の現場に長く従事する立場ではないので、少年院の実態の表面的なところしか知らないていたらく集団だとみなしています(自分はそれが嫌であえて法務教官採用試験で採用されました。)。2011/06/04
PukaPuka
2
名著。買ってから何年も経ってやっと端から端まで読めた(今まで部分的にしか読めなかったのは、被害者やその家族の感情を考えると怒りがわいてきて中断していたから)。この世界では受動的共感的心理療法はダメで、騙されず、でも信じる、責任は負わせる、というバランスをとりながら対応する必要があり、かなり訓練を要する。また、自分の中に見たくないものを抱えていると、非行少年に見るべきところを忌避してしまうし、自分の中に歪みがあれば対応する彼ら彼女らの歪みを見過ごす。普通の臨床よりずっとこちらが試される世界である。2017/07/13
godubdub
0
鑑別所の技官などを歴任した著者が,犯罪を犯した少年についてのアプローチの仕方を解説した一冊。入り口として,分かりやすい。2015/01/27
枕流だった人
0
白井市2013/10/07
たらこ
0
分類がうまく、非常に読みやすい。包括的な内容であったが、そのためかやや目が滑ってしまう部分もあった。2011/07/11