内容説明
イルカは波と戯れ、ライオンは闇に吼える。そしてどちらも美しい。小児ヒステリー、自閉症、ADHDの子どもたちは世界と自然という波に戯れるが、私たちにはその遊戯の法則がわからない。不登校、引き込もり、自傷行為の子どもたちは洞窟のなかで赤々とした目を光らせて吼えるが、私たちは眠りほうけてその声が聞こえない。そして盗癖、非行の子どもたちの叫びは、私たちを叩き起こすが、私たちは洞窟から飛び出した彼らを危ぶみ、檻に入れようとする。けれども著者は彼らの美しさを讃え、その心の真実に学ぶ。―教育に携わるすべての人びとおよび子を持つ親に贈る書。
目次
1 心を通わせる子どもたち
2 絶え間なく動き回る子どもたち
3 自閉症の謎と使命
4 ぼくはうちゅう人だ
5 神々と芸術の島の若者たち
6 盗人の神ヘルメスと愛の精霊エロス、そして見識フロネーシス
7 家族の崩壊と知恵
8 心の傷で受け止める
9 宝石の心を持つ子どもたちへ
10 補遺 裡なる美の確立―まりのその後…