内容説明
ツェランの経験、転回期ハイデガーとヘルダーリン、朔太郎の抵抗、ブランショによるマラルメ、ブルトンの問い…抽象化を拒絶し、言葉の物質性そのものに触れんとする強靱な意志。闘争の思考に貫かれた、来るべき詩学。
目次
1 詩的言語のポリティクス(灰の分有―パウル・ツェランという音域;二人、あるいは盲目―パウル・ツェランの眼差し ほか)
2 翻訳の詩学(翻訳者としての詩人―国語批判のために;「詩句」と「翻訳」―ブランショによるマラルメ ほか)
3 境界の詩人たち(ノスタルジーの新たなる闘い―ジョナス・メカスのために;力の刻印―ヴィクトル・セガレン『碑』をめぐって ほか)
4 シュルレアリスムの問い(ブルトンと他性のコミュニケーション;贈与と驚異―『ナジャ』論)
著者等紹介
守中高明[モリナカタカアキ]
1960年生。フランス文学・思想専攻。早稲田大学法学部助教授・詩人
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