目次
建築
廃墟
鉄道のある風景
戦争遺跡
廃線・廃車輌
近代土木
懐かしい風景
著者等紹介
丸田祥三[マルタショウゾウ]
1964年東京都生まれ。写真家。主に廃墟、少女、懐かしい風景を撮影する。94年、写真集『棄景』で日本写真協会新人賞受賞。和光大学表現学部で講師も務めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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コットン
72
東京方面の建造物に色フィルターを付けたり、現像時にコントラストをアップしたり特定の彩度を上げたりして幻風景を作っている。海に向かって電柱が果てしなく続く『木更津の海上電柱』のような有名なものから、あまり知られていない建物まで紹介されていて、廃墟ファン向けなのか全体に赤や青系が多く、少し作為的すぎるところが評価の分かれ目かもしれない。嫌いじゃないが、買ってまでは…という感じかな。2018/11/20
ホークス
45
2014年刊。関東各地で撮られた廃墟写真集。現役の建物や車両も含むが、共通して強い異界感がある。例えば東京高輪の1933年築の消防署。レトロな軍艦がなぜか街角に現れたようだ。整然と並んだ窓も美しくて怖い。茨城鉾田の広い畑に置かれた一両の廃電車。台車の無い錆びだらけの箱は、滅びた人類の遺物を思わせる。SLで知られる大井川鐵道の外れ。解体を待つ廃車は、復員兵の父と乗った車両だと言う。鮮やかな青い写真が発するのは懐かしさと無惨さ。著者は時間や写角を変えて、被写体の本質を表す色彩を探す。この色の緊張感がとても良い2022/02/25
むぎじる
36
初めに、「この本の写真は、ぜひしっかりと見開いてご覧ください。ギュッと開いても大丈夫な製本をしています」と書かれている、少し変わった写真集。東京と東京近県にある、廃墟・廃坑・現役を退いて違った用途で使用されている建物や、日常の景色も切り取られている。対象物に合わせた効果的な色彩は、昔見たような懐かしさや、この世ならぬ風景のような不思議さを感じさせる。対象物の説明文も楽しかった。見学や撮り方のアドバイス付。2014/04/27
刻猫
3
日常と隣り合う空間に、物語を見出だし鮮やかに切り取る。既に喪われた後の連続性。修復されても撤去されてもない、今にしか出会えない場所。廃車輌たちが微睡む景色。かつての産業の、繁忙の名残。2017/08/17
Koki Miyachi
3
東京の不思議で趣のある風景を集めたガイドブック。見開き2ページの写真と2ページのテキスト。アクセスや撮影のアドバイスもあって親切だ。これならいつでも撮りにいける。写真はEOS5D2 MarkIIIが中心のデジタル写真。画像はかなり強めに編集されている。インパクトはあるけど、正直こういう写真は好きじゃない。こういうのが流行りなんだろうか。2015/10/18