内容説明
最後の騎士と称されたマクシミリアク一世、神聖ローマ帝国皇帝にしてスペイン国王・新世界アメリカ大陸の領主カール五世、世界一の栄華を誇ったスペイン国王フェリーペ二世、マニエリスム文化に淫した皇帝ルドルフ二世、偉大な女帝マリア・テレジア、モーツァルトを見殺しにしたヨーゼフ二世、そして、妻を殺害され、たった一人の息子には謎の死を遂げられ、弟が銃殺され、帝位継承者であった甥を暗殺された実質上最後の皇帝フランツ・ヨーゼフ…栄光と悲惨に包まれたハプスブルク王朝の劇的な歴史をたどる。
目次
昏れゆく大帝国―孤独の皇帝
双頭の鷲の下に―ハプスブルク年代記
嵐の中の出立―フランツ=ヨーゼフの即位
美貌の皇后―フランツ=ヨーゼフの結婚
ライタニエン―二重帝国の成立
いま1人の皇帝―マクシミリアン大公の悲劇
時代は円舞曲につれて―ウィーンの変遷
皇后と王妃と女優―1880年代の皇帝夫妻
マイヤーリンクの謎―ルドルフ皇太子の最期
旅路の果て―エリザベト皇后暗殺事件
斃れる巨木―ハプスブルク帝国の崩壊