内容説明
なぜか懐かしい格子窓にウナギの寝床、通り庭におくどさん。限られた土地を最大活用して「美のある暮らし」を実現した京都人の隠された知恵を、町家ひとすじに賭ける大工の棟梁が、初めての人にもわかるよう、やさしく説きおこす。
目次
プロローグ 「大工は急かすな、値切るな」
1章 京町家、その魅力と見どころ―表構えに隠された暗号が読めると、こんなに楽しい
2章 京町家のしくみと、その構造―四季折々に応じた生活の知恵を織り込んで
3章 親子二代続いた大工一家―指物大工の子に生まれ、木造ひとすじに賭けるまで
4章 町家大工の手と技―道具の数々と、木と木をつなぐ「仕口」の技
5章 京町家の料理旅館、新築への挑戦―主人と大工の執念が実現させた初の試み
6章 町家風に改修した民宿の魅力―新築との違い、改修ならではの工夫と見どころ
7章 町家に住む人々、京町家の今後―住み暮らす人にとっての町家、残し伝えることの意味とは
巻末付録 町家大工用語集
著者等紹介
山本茂[ヤマモトシゲル]
昭和20年、京都生まれ。町家大工棟梁。90歳まで現役だった指物大工の父を持ち、幼少のころより大工の彫刻や模型作りに親しむ。京都市立伏見工業高校建築科卒後、(株)山下組に入社。社長邸に住み込み、丁稚奉公すること18年。35歳にて独立。以来、木造建築の新築、改修ひとすじに歩む。平成3年、現在の法律では不可能といわれた特殊建築物である京町家の料理旅館を木造で新築する
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