出版社内容情報
高齢になるにつれ、かむ力、飲み込む力は少しずつ低下してきます。今まで普通に食べられていたものが食べられなくなってしまったという人は少なくありません。食べることは生きるためのエネルギー源であり、おいしいと感じることは人生の楽しみのひとつです。いつまでも口から食べられるということは、高齢者の生活の質を高く保つうえで欠かせません。また、飲食物や唾が気管に入ってしまう“誤嚥”は、誤嚥性肺炎の原因になり、免疫力の落ちた人にとっては命とりにもなります。事実、がんや脳卒中ほど注目はされないものの、誤嚥性肺炎が多くの日本人の命を奪っているのです。
本書は、食べ物を噛みきる、咀嚼する、飲み込むことが難しくなってきた人と、食事介助をする家族のために、具体的なノウハウを紹介する本です。
第1章には、「生野菜を切り方で食べやすくする」「とろみや油で口あたりよくする」「焼き魚の身がパサつかない工夫をする」「ひき肉を口の中でばらけにくくする」「飲み物でむせないようにする」といった、実際の介護食づくりの現場で活用されている実践的な方法が満載です。
第2章では、嚥下体操や義歯のケア、むせにくい食事の体勢、認知症の方への食事介助術等を紹介しています。
<カラー口絵>かみやすい・飲み込みやすい料理術
お肉の活用法/主食の工夫/繊維の多い食材の工夫/おいしいまとめ術/市販のお惣菜の活用法/果物・デザートのアイデア
<第1章>食べやすくする工夫とアイデア
食事の基本/野菜/いも類/卵/豆腐/牛乳・乳製品/海藻類/魚介類/肉類/穀類/飲み物/果物・お菓子/市販品/外食/介護食品
<第2章>食べ方・食べさせ方 コツと注意
「食べる」意味/嚥下障害/詰まり予防/義歯・口腔ケア/口の食前体操/食事介助術
内容説明
食材別の下ごしらえ法から、「かみ」「飲み」やすい加工まで。嚥下障害の人でもだんぜん食べやすくなる調理法の工夫220と“詰まり”“むせ”予防法65。
目次
1章 食べやすくする工夫とアイデア(食事の基本;野菜;いも類;卵;豆類 ほか)
2章 食べ方・食べさせ方コツと注意(「食べる」意味;嚥下障害;詰まり予防;義歯・口腔ケア;口の食前体操 ほか)
著者等紹介
藤谷順子[フジタニジュンコ]
国立国際医療研究センター病院リハビリテーション科医長。医学博士。1987年、筑波大学医学専門学群卒業。東京医科歯科大学医学部附属病院神経科、東京大学医学部附属病院リハビリテーション部、国立療養所東京病院、埼玉医科大学リハビリテーション科、東京都リハビリテーション病院などを経て現職。日本リハビリテーション医学会臨床認定医・専門医。日本摂食・嚥下リハビリテーション学会評議員
江頭文江[エガシラフミエ]
地域栄養ケアPEACH厚木代表。摂食・嚥下アドバイザー。管理栄養士。1992年、静岡県立大学短期大学部食物栄養学科卒業。聖隷三方原病院栄養科勤務を経て、現在は神奈川県厚木市の行政や医療・福祉機関と連携し、在宅療養者への訪問栄養指導を中心に、赤ちゃんから高齢者まで地域に密着した栄養サポートを実践している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。