感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ろーじゃ
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ロシア外交最大の武器は、人々の平和を愛する気持ちや善意をとことん利用する事。外務省で研鑽を積んだ著者が記すロシア(ソ連)外交の本質。 友好や平和という釣り餌にかかった時にはすでに、日本は対ロシア外交に負けている。友好ムードになっても北方領土問題が一向に解決しないのはその一面と言える。2013/04/30
Bond
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今までソ連の謀略に関する考察は、中川八洋筑波大学名誉教授の論文などでしか接してこなかったが、36年も前の本書にその詳細が記されていたのに驚いた。共産ロシアの思考を論理的に読み、自由主義諸国が団結しなければ共産主義の餌食になっていく危険性を説いている。これ程の名著を産経新聞社、その関連会社の扶桑社は何故復刊しないのか。共産主義思想が死滅してしまわない限りこの本の内容は古びないのだ。現に今のロシアに当てはめても何ら矛盾はない。やはり「保守」は「営業」で、本籍は左翼なのだろう。2019/06/25