Ishizaka lectures<br> 現代世界と人類学―第三のユマニスムを求めて

Ishizaka lectures
現代世界と人類学―第三のユマニスムを求めて

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  • サイズ B6判/ページ数 266p/高さ 19X14cm
  • 商品コード 9784377107791
  • NDC分類 389.04
  • Cコード C0339

内容説明

現代世界を救済する知のあり方としての人類学は、可能であろうか。本書は、この問いに応えて、人類学の泰斗、レヴィ=ストロース博士が、「性・開発・神話的思考」など、現代にアクチュアルに関わる問題を通して、人類学の新しい可能性を探ったものである。ルネッサンスのユマニスム、19世紀のブルジョワ・ユマニスムを超えた第三のユマニスムとしての人類学を、日本文化への鋭い洞察とともに語った、講演オリジナル。フランス語付。

目次

1 西洋文明至上主義の終焉―人類学の役割(人類学とは何か;第三の人文主義・人類学)
2 現代の三つの問題―性・開発・神話的思考(共通言語としての親族関係;神話の意味するもの)
3 文化の多様性の確認へ―日本から学ぶもの(人種決定論の誤謬;累積的社会・停滞的社会)
レヴィ・ストロース博士の人と学問―川田順造

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Bevel

5
西洋社会は科学技術でいきづまっている。新しい社会のあり方を考えなければいけない。構造主義とはそのための方法であり、1:実証由来の社会的カテゴリー(親族関係の規則、神話)のもとで、別の社会のもつ関係性を可視化することで、2:西洋社会のもつ関係性を相対化することが可能になる。人類学は篩として働く。表面的に言えば、人類学は文化的差異をできる限り許容するよう促す学問だ。しかしそれとは別に、些細な違いに気を取られるのは時間の無駄であり、社会存続のためには本質をあぶり出す必要があるとする別のプログラムの一端を担う。2015/04/14

ハンギ

0
石坂財団の招きで東京に来たレビ=ストロースの講演を本にしたもの。半分はフランス語になっているが、もう半分は日本語になっている。正味で160ページくらいの分量。面白い点が二点あって、一つは未開人の社会を豊かと形容している事であり、もう一つは日本独特の文化について着目している事ですね。前者は家族を含めて養うだけならば、一日あたり2時間から4時間の労働で足りているからであり、後者は西洋文化に対して独自の位置を保っているので、日本に敬意を示している。川田順造&渡辺公三さんの黄金タッグの仕事。質問者も豪華。2011/10/15

TTK

0
工業文明の広がりによる大変動、交通通信手段の高速化によって、こうした壁は崩れ去りました。同時に、その壁の存在によって可能だった、遺伝子の新たな組み合わせ、分化の新たな経験が試みられる機会も消失しました。……創造に満ちた偉大な時代とは、遠く離れたパートナーと刺激を与え合える程度に情報交換ができ、しかもその頻度と速度は、集団・個人間に不可欠の壁を小さくしすぎて交換が容易になり、画一化が進み多様性が見失われない程度にとどまっていた時代だったのです。p.1322024/01/03

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