内容説明
子どもに恵まれず、18年前、里親として初めて“長男”を迎えた著書は、予想もしなかった社会の無理解と差別にぶつかる。やむなく長男を施設に戻さざるをえなくなった時、親子の絆を支えた「ぶどうの木」の聖句。しかし長男は17歳のの夏、バイク事故で不慮の死を遂げる…。親子とは、人のつながりとは何かを問う、感動のノンフィクション。
目次
第1章 里親―私たち夫婦の選択
第2章 純平、波乱の小学校生活
第3章 みんな違っていいじゃない
第4章 家族の愛で子どもは育つ
第5章 純平の死を無駄にはしない
第6章 心に傷を負った子どもたち
第7章 家出した薫が帰ってきた!
著者等紹介
坂本洋子[サカモトヨウコ]
1957年山口県生まれ。玉川学園短期大学卒業後、結婚。85年に里親として初めての子どもを迎えて以来、十八年間で十人の子どもをわが子同然に育てる
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感想・レビュー
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佐島楓
27
この本を読んで、里親という立場にいらっしゃるかたの権限がごく限られたものであることがわかった。どうしようもない事情でわが子を手放さなければならない方も存在するのは理解できるし、著者のような里親志望の方が里子さんを守ってあげたいと思う気持ちにも共感できる。だからここに出てくる社会の無理解や差別といった問題にとても胸が痛んだ。子どもに罪はない。しかし里親が子どもの人生に一部分タッチするだけでその子のその後を変えてしまうこともある。社会と子どもを守る側とのバランスが求められる問題だと思った。2014/01/29
りるふぃー
15
絆は築き上げるものだから、血の繋がりがなくても本当の親子になれると信じていましたが、この本を読んで更に確信しました。坂本夫妻の生き方は本当に素敵です。どれほどつらいことがあろうとも里親を続けられるのは、生きることの真髄を感じられるからではないかな。問題は、養子と違って里親は、里親、里子の意志とは無関係に引き裂かれる場合があること。純平くんは、たった一つの居場所を奪われて、どれほど心細かったか。気持ちがわかる里子同士が一つ屋根の下で兄弟姉妹となって賑やかに暮らせるのは 養子にはない里子の良さかもしれないが。2019/03/04
恵美
9
想像以上に辛く悲しい現実を見た気がします。世の中に傷ついて生きずらさを感じている子どもがこんなにも多いとは。そしてその子どもたちに力を惜しみなく注ぐ里親さんの姿に頭が下がる思いでした。ひとりでも多くの児童が救われることを願うばかりです。2014/01/17
りさ
4
現在国は里親委託を増やす方向で進めている。この本を読んで、里親の行政や施設への不信感を垣間見た。子どもたちのためにも施設や行政、里親が協力しあえるよう体制を整えることが大切である。私は施設職員として里親の気持ちに寄り添えるように努力したい。2019/03/08
ぺえー
4
里親制度って、なんて尊いんでしょう。少しでも多くの方に知ってほしいと思いました。2014/09/02