内容説明
カフェ、タバコ、ビール、郵便馬車、ダンディ、影絵、好色本、気球、検閲、暗殺…。モノたちがにぎやかに語りだす文化史逸話集と、詐欺師、超能力者、大食漢、愛書狂などなど、有名無名の奇人変人列伝。1815年のウィーン会議から、1848年、ウィーンとベルリンで三月革命が起こるまでの30年余、小春日和のようなつかの間のひととき―。〈ビーダーマイヤー時代〉。戦争と革命、ロマン主義とリアリズムにはさまれた歴史の小径を、筆者はつつましやかな市民文化の成熟を見ながら散歩する。
目次
第1部 ビーダーマイヤー文化史(菓子喫茶;タバコ;庶民の食卓;ポンス;ビール;食通;家具調度;庭園;モード;ダンディ;旅行;玩具;影絵;挿絵画家;貸本屋;エロティカ;オカルト体験;奇術師;自動人形;気球;サーカス;スター;妖婦;女性たちのサロン;ジャーナリスト;検閲;勲章;暗殺)
第2部 泰西奇人伝(カール・ゲオルク・フォン・マーセン;ジェームズ・グレアム;ハインリヒ・チョッケ;デュティートル夫人;リーニュ侯爵;カール・シャル ほか)