内容説明
味が評判のラーメン屋で、女店主が背中を刺され絶命していた。事件発生。おなじみの酒島警視、平束刑事、人妻探偵・紫藤鮎子が額を寄せ合う。まず犯行現場に近い美容院の鏡で事の経緯を目撃した、ある夫人が重要証人に。すると彼女の指に被害者自慢のダイヤがピカリ。芥川賞受賞の覆面作家が、豊かな食通歴に推理の味を加えて面白く盛りつけをした連作集。
目次
天丼殺人事件
カレーライス殺人事件
ラーメン殺人事件
鰻料理殺人事件
恐怖の食卓
ジンギスカン料理殺人事件
能登恐竜グルメ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
間立
2
文章から香りが立ち昇り、味覚でさえ想起される。恐るべきグルメ推理小説である。なんせ腹一杯の時に読んでも、これが食べたいっ! とばかりに涎がジクジク湧き出てくる。2012/05/01
皐月あざみ
1
『恐怖の食卓』の酒島警視の男前っぷり。著者の後書きのエッセーにかける情熱が凄い。2012/03/06
ゆき (Kou)
0
短編の扉ごとにコック姿の筆者の写真が謎の格言と共に添えられているのが意味不明でよろしい。グルメミステリとのことだが、ミステリのほうに期待してはダメ。トリックなんかそっちのけで、美食描写に力が入る。どの料理も美味しそうで、腹がへる。気取った評論家にシェフが復讐する「恐怖の食卓」はまっことキタナイハナシで、秀作。後書き兼美食エセーでは、筆者の並々ならぬ美食への思いが吐露されていて、毎日ジャンクばかり喰っている身からしたら、文字通り食に人生をかけるその姿勢に、只々驚く。2016/02/06