光文社新書<br> モノ・サピエンス―物質化・単一化していく人類

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光文社新書
モノ・サピエンス―物質化・単一化していく人類

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  • サイズ 新書判/ページ数 270p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334033835
  • NDC分類 304
  • Cコード C0210

内容説明

臓器売買、代理母…ヒトは「パンツをはいたモノ」になり、やがて「使い捨て」られるのか?人間のモノ化(物質化・単一化)、「モノ・サピエンス化」がはじまったのは、広義にとらえれば人類の誕生とともに、少し限定すれば近代以降と考えられる。本書では、それをポストモダンの時代以降と想定。一九七〇年代から八〇年代にかけて、ポストモダンは世界的に大流行したが、この時代に「モノ・サピエンス化」が本格的にはじまったとする。さらにこの傾向に拍車がかかったのは、なんといっても九〇年代から。本書のテーマは「九〇年代以降の人間の状況」であり、このテーマに、さまざまな現象を通して迫っていく。

目次

プロローグ ヒトの「使い捨て」時代がはじまった
第1章 モノ化するブランド
第2章 モノ化するカラダ
第3章 モノ化する労働
第4章 モノ化する命
第5章 モノ化する遺伝子
第6章 モノ化する思考
第7章 モノ化する社会
エピローグ 「人間の尊厳」の終焉と新しい時代のはじまり

著者等紹介

岡本裕一朗[オカモトユウイチロウ]
1954年福岡生まれ。’84年九州大学大学院文学研究科博士課程単位取得。玉川大学文学部教授(哲学・倫理学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえ

8
「たしかに、近代社会を動かす原動力になったものは、家柄云々ではなく、平等性に基づいた個人の能力の発揮であったはずです。しかし前節で見たように、世襲が止まないどころか、年々その傾向が強まっている現実を目の当たりにすると、時計の針が逆回転している気がしてなりません」「能力主義は生まれながらの不平等に対立するものでしょうか」2015/06/27

HALI_HALI

5
消費社会が進んだ現代では必要な物のみならず、必要ではないものの消費が必要不可欠。例えば車の買い替えやブランドバックのモデルチェンジなど。最早こうした、物の"使い捨て"を前提とした世界でした経済は成り立たない。そしてその"使い捨て"対象は人間にまで及んでいる。それは、バイオテクノロジー業界におけるクローン化などに止まらず、労働力として社会に自身の労働力を提供することからも理解できるだろう。私たちはモノ化する自身と向き合って時代を切り開いて行かなくてならない。2017/06/04

宙庭隼人

5
面白かった。消費社会に生きる私たちが「モノ化」していることを、分かりやすく(あとがきにあったように、「ドギツイ」言葉が多かったからかも)説明してある。/ヒトの「使い捨て」時代がはじまった/モノ化するブランド/モノ化するカラダ/モノ化する労働/モノ化する命/モノ化する遺伝子/モノ化する思考/モノ化する社会/「人間の尊厳」の終焉と新しい時代のはじまり2016/03/24

白義

4
人々が自らの欲望に従い、自由を求めるほど、それを効率的に管理、促進する技術もまた導入が進み、それによって格差が生まれ、自由自体が失われるといった現代のパラドックスを『モノ化する人』というキャッチーなフレーズでまとめた好著。ニュースを騒がす時事的、日常的な話題と思想のリンクがとても上手くて、現代思想的評論の入門としても格好のもの。著者が消費、管理社会やネオリベに対し、善悪の判断を避けているのも好印象。読むにつれ、やはり人間とその尊厳というものを軸に出来た時代が特殊だったのかもと懐疑を抱いてしまう2012/05/04

ラグエル

2
人間の尊厳というものについて、「きわめて曖昧で何を意味するのかわからない」とザクッと斬りつけたのには喝采しちった。それから「自由を追求するほど…管理が強化」される。なぜなら、「資本主義と異なるモデルを見いだせない」から。という指摘には、うならせられたり。2011/01/07

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