光文社新書<br> ネオ共産主義論

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光文社新書
ネオ共産主義論

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  • サイズ 新書判/ページ数 259p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334033491
  • NDC分類 309.3
  • Cコード C0210

内容説明

共産主義は悪魔の思想か?世界的難問への最終解答か?今21世紀の視点で問い直す。

目次

序章 共産主義の五つの問題
第1章 共産主義と社会主義とはどう違うのか
第2章 共産主義のルーツはどこにあるのか
第3章 共産主義にはどんなものがあるのか
第4章 共産党とは何か
第5章 共産主義社会を実現するのは誰か
終章 ネオ共産主義論

著者等紹介

的場昭弘[マトバアキヒロ]
1952年宮崎市生まれ。慶応義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了、経済学博士。神奈川大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

23
現代で大真面目に共産主義について語った数少ない新書の一冊でありながら、その分析、共産主義の強みが共産主義批判としても成り立つとい点において個性がある。ユダヤ教以来の千年王国論とユートピア主義をその情念の母体と指摘し、マルクスらに空想的社会主義と批判されたサン・シモンやオーウェンの思想の解説、カベーとマルクスの共産主義の違いなど、思想史的な基礎はだいたい掴める。アルチュセールやルカーチにも触れマルチチュードまでいくのはさすがだが、その分現代どうするかといった点は薄い2013/11/23

ラウリスタ~

11
ソ連や北朝鮮、中共の「共産主義」に飲み込まれて「勘違い」されがちな共産主義を、社会主義との違い、マルクスが創始者ではないこと、ユダヤ千年王国、プラトンの国家から連なる伝統、19世紀フランスを中心とした「空想的共産主義者」(とマルクスが自分の「科学性」を主張するために呼んだ)サンシモン、フーリエ、オーウェン、などなど、広く浅く語る。ただ仲正の「宗教化する現代思想」を読んだ直後に読むと、この資本主義の「終焉?」に際して、気合い入れてユートピアを目指す書き方が典型的な、自己批判を欠いた現代的共産主義論に思える。2017/12/24

またの名

9
筋金入りの人が読まれるなら聖書とのアナロジーで語る視点にきっと激怒されるのではと気になるけど、思想史として大事なポイントは外していない。マルクス主義者にもベンヤミンらフランクフルト学派のように明確に宗教と唯物論の統合を打ち出した先人はいたので、おそらくその点も踏まえて「共産主義はカルト」と断定する批判者の口吻を真似ているだけではない中身のある相対化に成功している。空想的社会主義、共産主義と社会主義、ブランキズム等のワードの知識も学生運動遠かりし現代の人間にとっては有難い。ネグリ評価は他がないから仕方ない。2014/02/17

ukmsblue

8
マルクス主義=共産主義=全体主義とは旧ソ連ほかの共産主義圏のイメージを投影したものだが、これは必ずしも正しくはなく(実態としてソ連ほかの旧共産圏が全体主義であったことは間違いないとしても)、共産主義の概念は語られるものによって相当幅広いということが分かる。千年王国論、ユートピア論との関連で共産主義を読み解く試みも非常に理解しやすい。しかし、範囲が相当広いので新書でやると少し消化不足気味。もう一度読むか。2018/09/06

アルゴス

6
マルクス学者である著者が、共産主義とは何かを語ろうとした書物だが、ユートピア論者などの歴史的な考察に重きを置きすぎて、「タイトルに偽りあり」と言わざるをえない。ネオ共産主義の原理として示されているものも、旧約聖書の神話的な物語に、ロックの貨幣論を密輸入するという奇妙な混淆物にすぎない。残念な一冊。2018/02/12

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