出版社内容情報
中世から近代のドイツ文学の中で,〈書く〉ことに携わってきた女性たちの足跡をたどり,その生き方と〈書き物〉(エクリチュール)を再評価する。ドイツ文学への新しい入門書。
【目次】
第1部 <女の文学>への歩み
第1章 近代・新しき時代に向けて
第2章 女性の書いたはじめての小説
1 作家ゾフィー・フォン・ラロッシュの誕生と活動
2 ベストセラー小説『シュテルンハイム嬢の物語』
第3章 手紙を書く女たち
第2部 桎梏と抵抗
第4章 整備されていく<女性性>
第5章 祈りとられた自我
1 コルネーア・ゲーテ
2 カロリーネ・フォン・ギュンデローデ
第6章 「やっと勝ち得たわたしの自由」
第3部 ファム・ファタルのイメージと現実
第7章 悪女の造型
第8章 革命の女たち
第9章 イメージの氾濫のなかで―オーストリアの場合
参考文献リスト
人名索引
内容説明
中世から近代のドイツ文学の中で、〈書く〉こに携わってきた女性たちの足跡をたどり、その生き方と〈書き物〉を再評価する。
目次
第1部 〈女の文学〉への歩み(近代・新しき時代にむけて;女性の書いたはじめての小説;手紙を書く女たち)
第2部 桎梏と抵抗(整備されていく〈女性性〉;折りとられた自我;「やっと勝ち得たわたしの自由」―アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ)
第3部 ファム・ファタルのイメージと現実(悪女の造型;革命の女たち;イメージの氾濫のなかで―オーストリアの場合)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
K.H.
6
だいたいタイトルから連想される内容だった。ラロッシュやドロステ=ヒュルスホフ、ベッティーナ・フォン・アルニムら、それなりに知られた女性作家が取り上げられ、彼女達が「書く」に当たってどのような障壁にぶつからなければならなかったかが論じられている。その中で無名の(と言うより兄のために名前が残っている)ゲーテの妹コルネーリアをめぐる話がいちばん切なく感じた。市民社会の変化も踏まえた好著だったが、19世紀で終わるのは少し残念。風穴を開けて躍動していく20世紀以後の女性たちにもアプローチしてほしかった。2021/11/28