出版社内容情報
男女共同参画社会の実現にむけて、今後なにをすべきか。行政のトップとして推進役を担ってきた著者が、逆風のなかで課題を明らかにする。
男女共同参画社会基本法が1999年に成立し、今日あらゆる分野で女性が決定に参画し、社会的不平等をうけずに活躍ができる社会の実現がめざされている。著者は30年以上にわたって女性行政の最先端でこの動きを推進しつづけてきた。長い前史と最近の動きを当事者としてふり返りつつ、今何が問題なのかを現場から明らかにする。ジェンダーフリーをめぐるバックラッシュの強まるなかで、女性のチャレンジをいかす方途を考えぬく。
序章 男女共同参画社会をめざして
1 女子差別撤廃条約の日本レポート審議
2 男女共同参画会議・参画局のスタート
3 参画局の位置づけ
第1章 仕事と子育ての両立支援策
1 仕事と子育ての専門委員会
2 小泉内閣へ
3 各専門調査会の活動
第2章 女性に対する暴力
1 配偶者暴力防止法
2 施行後の動き
3 トラフィッキングなど
第3章 女性のチャレンジを支援する
1 女性を政策・方針決定の場へ
2 経済分野へのチャレンジ
3 公契約と補助金
4 ポジティブ・アクションの法制化
5 2020年 30%目標
第4章 選択的夫婦別氏制度
1 夫婦別氏とは
2 各国の制度
3 日本の世論
4 実現に向けて
第5章 アフガニスタンの女性支援
1 アフガニスタン情勢
2 懇談会のスタート
第6章 社会制度の影響調査
1 影響調査専門調査会
2 税・年金制度の現状
3 世帯単位から個人単位へ
4 企業の世帯配慮など
5 雇用システムの見直し
6 今後の働き方
7 広義の影響調査
8 海外の取り組み
第7章 苦情処理システム・監視のあり方
1 監視とは
2 監視のルールづくり
3 平成13年度の監視結果
4 情報の収集・整備提供
5 苦情処理システム
第8章 国内体制の整備と男女共同参画社会基本法
1 婦人問題から男女共同参画へ
2 担当大臣の指名
3 参画室の誕生
4 基本法制定の気運が高まる
5 基本法の成立へ
6 男女共同参画社会基本法の特徴
第9章 地方自治体とNGOの動き
1 窓口をどこにするか
2 各地の事例
3 条例の制定
4 NGOの動き
第10章 バックラッシュの嵐
1 男女共同参画社会基本法への批判
2 「未来を育てる基本のき」
3 都市の男女共同参画推進条例
4 条例策定が進む
5 ジェンダーフリーという言葉
6 局としての基本的考え
7 男らしさ・女らしさ
8 問と答
第11章 『男女共同参画白書』が伝えようとしたこと
1 『婦人白書』から『男女共同参画白書』へ
2 『平成12年度年次報告書』
3 『平成13年度男女共同参画白書』と地方の状況
4 『平成15年版白書』
第12章 女子差別撤廃条約の日本レポート審議
1 女子差別撤廃条約
2 批准と報告書(レポート)審議
3 第五次報告書の提出
4 報告書の審議まで
終章 これからの課題
1 悲観的な未来
2 楽観的な未来
あとがき
内容説明
男女共同参画社会の実現にむけて今なにが必要か。行政側の推進役を担ってきた著者が、長い道のりと逆風のなかでの課題を明らかにする。
目次
男女共同参画社会をめざして
仕事と子育ての両立支援策
女性に対する暴力
女性のチャレンジを支援する
選択的夫婦別氏制度
アフガニスタンの女性支援
社会制度の影響調査
苦情処理システム・監視のあり方
国内体制の整備と男女共同参画社会基本法
地方自治体とNGOの動き
バックラッシュの嵐
『男女共同参画白書』が伝えようとしたこと
女子差別撤廃条約の日本レポート審議
これからの課題
著者等紹介
坂東真理子[バンドウマリコ]
1946年富山県に生まれる。1969年東京大学卒業。1969年総理府入府。内閣広報室、青少年対策本部、老人対策室、統計局消費統計課長、埼玉県副知事、ブリスベン総領事、総理府男女共同参画室長等を歴任。2001年~2003年内閣府男女共同参画局長。現在、昭和女子大学大学院教授
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