出版社内容情報
四大公害訴訟をはじめ多くの差止請求・損害賠償訴訟の理論的支柱となってきた最新の実践的な研究の成果である。公害問題の格好の入門書として,多くの人の共感を呼んだ。
【目次】
Ⅰ 公害をめぐる法と行政
1 公害とはなにか
2 公害問題と公害運動の歴史
3 公害防止と保障にかんする法と行政
Ⅱ 公害裁判と法理論
1 現代の不法行為法
1 債権の発生原因としての不法行為
2 過失責任主義の基礎とその変動
3 因果関係論
4 権利侵害から違法性へ
5 損害論の現代的課題
2 千葉川鉄公害訴訟判決の意義
1 千葉川鉄公害訴訟の位置付け
2 判決の内容
3 判決の因果関係論の評価
4 判決の差止請求論の批判
3 公害問題と共同不法行為
1 四日市公害判決の共同不法行為論
2 弱い共同関連性と強い共同関連性
3 共同不法行為成立範囲の限定
4 公害無過失責任法との関連
4 公害の差止請求と法理論
1 はじめに
2 公害の差止と行政法上の手段
3 民事上の差止請求
5 公害裁判における公共性の機能
1 問題の所在
2 公共性概念の機能
3 公共性概念の検討の視点
Ⅲ 公害行政の動向と問題点
1 公害保健に関する法律上の諸問題―公害健康被害補償を中心として―
1 公害健康被害補償法の施行―その背景と意味―
2 公害健康被害補償法と今後の課題
3 被害者救済の個別的問題
4 行政的救済制度の社会的機能
2 公健法第一種地域の指定解除の論理
1 はじめに
2 中公審答申に至る経過
3 中公審答申の因果関係論
4 中公審答申の批判的検討
Ⅳ 戒能通孝先生の公害研究
1 公害研究はどうあるべきか
2 公害研究の内容
3 公害問題と法技術
内容説明
依然として解決されずにいる公害の現状をふまえるとともに、後退しつつある司法―行政の論理を緻密に検討。公害の防止と、被害の補償を実現するための法論理を提示する。
目次
1 公害をめぐる法と行政
2 公害裁判と法理論
3 公害行政の動向と問題点
4 戒能通孝先生の公害研究