複合材料の力学

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  • サイズ B5判/ページ数 266p/高さ 27cm
  • 商品コード 9784320081994
  • NDC分類 501.32
  • Cコード C3053

出版社内容情報

昨今,複合材料へのニーズが大変高まっている。炭素繊維強化複合材料はすでに航空機に幅広く使われ,セラミック基複合材料は高温ガスタービンあるいはジェットエンジンへの利用に期待がかけられている。今後,さらに適用範囲は広がるであろう。
 複合材料は複数の素材を混ぜ合わせて作るため,多くの場合,異方性を有する。このため,異方性弾性論に基づく構造解析・設計に関する書物が多い。一方で,より安全に使用するためには構造解析・設計といった均質化された巨視的な変形特性だけではなく,素材そのものの物性に基づく,等価物性評価や強度予測といったマイクロメカニクスが非常に重要である。
 本書はこの分野における世界的なパイオニアであるクリステンセン博士の研究書である。本書は弾性理論などの基礎理論をもとに,数学的に厳密に理論を組み立てる点に特色がある。
 これから研究や技術開発を始める方だけでなく,複合材料の物性評価に取り組まれる研究者にも大変役に立つ一冊である。

第1章 力学の基礎
1.1 弾性論
1.2 粘弾性論
1.3 塑性論
1.4 Eshelbyの公式

第2章 球状介在物の等価剛性
2.1 均質化処理とは何か
2.2 球状介在物からなる希薄系複合材料
2.3 複合材球モデル
2.4 三相モデル
2.5 セルフコンシステントモデル
2.6 高濃度系モデル
2.7 本章についての考察

第3章 等価剛性:円柱状および積層状の等価剛性
3.1 横等方性材料
3.2 複合材円柱モデル
3.3 繊維強化複合材料における等価せん断弾性率モデル
3.4 不連続繊維
3.5 板状介在物がランダムに分散した複合材料(低体積含有率)

第4章 等価剛性の上下界
4.1 等方性体と見なした際の等価剛性に関する上下界
4.2 横等方性体と見なした際における上下界
4.3 等価物性と上下界をどのように考えるか
4.4 繊維強化複合材料の等方的等価剛性
4.5 板状介在物強化複合材料の等方性等価剛性
4.6 ここまでのまとめ

第5章 積層板
5.1 変換関係式
5.2 積層板の古典積層板理論
5.3 円筒曲げ
5.4 高階変形理論
5.5 自由端効果

第6章 応力解析,強度,設計
6.1 異方性弾性論における境界層理論
6.2 強度および破壊基準
6.3 設計例1:繊維強化圧力容器
6.4 設計例2:繊維強化フライホイール

第 7 章 波の伝搬
7.1 等価な均質材における波の特性
7.2 積層材料における透過と反射
7.3 分散関係式
7.4 過渡的な波の伝搬:積層材料
7.5 過渡的な波の伝搬:3次元的に周期性をもつ材料
7.6 ランダムな不均質性による減衰
7.7 混合理論の適用:流動化した円柱の動的不安定性

第 8 章 非弾性および非線形効果
8.1 多孔質体の塑性変形
8.2 繊維系の塑性変形
8.3 複合材料の粘弾性特性
8.4 粘弾性流体懸濁液モデル
8.5 繊維系の大変形

第 9 章 有効熱特性
9.1 熱弾性理論
9.2 熱伝導率
9.3 熱膨張係数
9.4 比熱
9.5 考察

内容説明

この分野における世界的なパイオニアによる研究書。弾性理論などの基礎理論をもとに、数学的に厳密に理論を組み立てる点に特色がある。

目次

第1章 力学の基礎
第2章 球状介在物の等価剛性
第3章 円柱状および積層状の等価剛性
第4章 等価剛性の上下界
第5章 積層板
第6章 応力解析、強度、設計
第7章 波の伝搬
第8章 非弾性および非線形効果
第9章 有効熱特性

著者等紹介

クリステンセン,リチャード・M.[クリステンセン,リチャードM.] [Christensen,Richard M.]
スタンフォード大学航空宇宙工学専攻名誉教授、全米工学アカデミー会員

岡部朋永[オカベトモナガ]
1999年慶應義塾大学大学院理工学研究科機械工学専攻後期博士課程修了・博士(工学)。現在、東北大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻教授。専門は複合材料工学

矢代茂樹[ヤシロシゲキ]
2005年東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻博士課程修了・博士(工学)。現在、静岡大学学術院工学領域機械工学系列准教授。専門は複合材料工学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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