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内容説明
危険な家族関係が生み出すアダルト・チルドレンとは。親から受けた心の傷を癒し、本当の自分を取り戻す方法を具体的に提示する、待望の書。
目次
第1章 家族に心を傷つけられた子どもたち
第2章 家族という危険地帯
第3章 アダルト・チルドレン―トラウマにさらされた子どもたちのその後
第4章 荒れるアダルト・チルドレン
第5章 「安全な場」を求めて
第6章 「嘆き」から「癒し」へ
第7章 変化する私
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みゃーこ
80
なんか家族の中に潜む病理について考えさせられる。社会の最小単位である「家族」という集団の中の人間関係で形成されていく人格の基礎を振り返ると誰でも少しは落ち込むものでできればやり直したいと望むんだろう。きっと…。自分がこんなんなのは自分のせいではなかった。というアダルトチルドレンという概念はある種の自分への免罪符を与えられるセンセーショナルだったが、「で?」というところでやはり傷は癒されて恵みにしていかないといけない。人間によって傷つけられ、そしてまた人間によって回復させられていくしかないのだろう。2013/07/21
カッパ
17
1996年の本ということで今からいうとなんと20年くらい前の本である。今でこそ疾患に関わる沢山の職業の教科書に書かれてるくらい浸透していることが書かれている。今でも色褪せない内容だ。この本の功績は大きかったのだろうなと感じてしまった。2017/01/31
nobody
15
日本社会にはパチンコが存在している。従って権力=体制が悪であることは自明である。なぜ権力はアダルト・チルドレン(AC)を放置しているのか疑問だったが、問題化するどころか推奨していたのだ。ACは差別や戦争と違って根絶できる。あるアメリカの精神科医が「これから三代にわたって親たちが子どもを虐待することがなくなれば」と言う通り。だがACは「他人(権力)にとって都合が良い」。なぜなら「他人の役にたっていないと生きていてはいけないような気がする」という心性を形成するからである。必然的に斎藤の所論は政治性を帯びる。 2018/07/11
maimai
13
幼少期に暴力や虐待を受けた子供は心に傷を受けたまま大人になるみたいです。こうした人をアダルトチルドレンと呼び、人間不信や犯罪に走るといった問題を引き起こすみたいです。そしてアダルトチルドレンの子供もアダルトチルドレンとなりその連鎖は続くみたいです。反抗期のないいい子は危なく、自我を持てないことで統合失調症などの精神病に苦しむみたいです。自分も言いたいことが言えず、人の顔色をうかがってばかりの苦しかった時期があったので、アダルトチルドレンで苦しむ人が少なくなることを願っています。2015/07/29
玲
7
1996年の本なので現在より社会の認識が低いことを前提としている。それでも、まだ世の中の認識は必要まで届いてはいない。「やさしい暴力」によって真綿で締め付けられているいい子たちはいまインナー・チャイルドを抱えたまま社会人になって、親になる世代を迎えているだろう。育児に無関心で仕事人間の父親像は昭和のものになりつつあるが、母親が子と精神を分化できないことについては社会は無自覚である。母はどうだったか、思い返してみる。自分は何を基準として大人になったのか。自他を自他と認めることをいま改めて問い直したい。2012/06/01