内容説明
ウィーン体制をゆるがす自由独立の動き、混沌と渦巻く19世紀の虚像と実像を描く。
目次
ウィーンの饗宴
産業革命
自由と統一をめざして
7月の太陽
ヨーロッパの虹
新しい対立
1848年
双頭の鷲の影
リソルジメント
ドイツの統一
ヨーロッパの栄光
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tieckP(ティークP)
6
複数人で全体を成す「世界の歴史」は一般には個人の価値観を消して書くもので、そこに客観的な歴史が文学に勝る強みも生じると思うのだが、本書は69年に書かれたことを措いても笑ってしまうくらいの自由主義の賛歌で、登場人物はそれを基準に気持ちよいほどすっぱり善悪に分けられる。保守反動はもちろん自由主義と争うことになる民主主義にも辛口である。ただ、そういう癖を理解したうえで読めば、その善悪の構図は分かりやすく、また各国が絡み合う西洋史が自由の攻防で整理されてつながって見えてくる。情熱溢れる一冊なのは確かで記憶に残る。2019/04/09
misui
3
ウィーン体制からドイツ統一まで。オーストリアが嫌いになる。2020/01/27
フェイ
2
ナポレオン退位からパリコミューン崩壊まで。 前巻のフランス革命から引き続き、自由を求めて戦うヨーロッパ諸国民を描く。世界史でも特に7月革命→2月革命→第二共和政→ナポレオン三世になってしまうこの時代の複雑怪奇さを理解できないまま卒業してしまったが、前巻と本巻を読んで、こういう流れで革命が連鎖していったのかと納得できた。イタリア・ドイツの革命と統一も興味深い。しかし、自由を求めて戦ったヨーロッパ人も、植民地の民衆に対してはかつての貴族のように振る舞うところに、根深い人間の本性が読み取れる。2015/03/28
Takao
1
1990年1月、第1刷発行。単行本はそれ以前だとすると、30年近く前のもの。ウィーン体制からドイツ統一まで。スタンダール、フロベールなどの作品が引用されていて、読みたくなった。2015/02/04
azur
0
1794年 テルミドールのクーデター ロベスピエールの失脚;1799年 ブリュメール18日のクーデター:ナポレオン・ボナパルト将軍が総裁政府を倒し、統領政府を樹立。その後第一帝政へ;1815年 ワーテルローの戦い、ナポレオン追放、王政復古;1930年 7月革命:ブルボン朝からルイ=フィリップ1世のオルレアン朝に。7月王政;1848年 2月革命:共和派がオルレアン朝を打倒 大統領にはナポレオン三世が当選し、1851年にはクーデターで第二帝政へ;1871年 パリコミューン その前に普仏戦争の敗北と第三共和制2016/10/22