河出文庫<br> リプリー

河出文庫
リプリー

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  • サイズ 文庫判/ページ数 412p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309461939
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

息子を呼びもどしてほしいという、富豪グリーンリーフの頼みを引き受け、トム・リプリーはイタリアへ旅立った。息子のディッキーに羨望と友情の相半ばする感情を抱きながら、トムはまばゆい地中海の陽の光の中で完全犯罪を計画する…。ルネ・クレマンによる名作『太陽がいっぱい』の原作であり、再び『リプリー』として映画化された、ハイスミスの代表作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

249
アランドロンを世に送り 出した映画 『太陽がいっぱい』の原作。 ルネクレマン監督が 描いたトムは、 太陽と青い海とヨットを 背景に、 若さと肉体と野望が 全面に出た青年だった気がするが、 原作のトムは、 淡々とした冷酷さが特徴 であり、いつものこと ながら、原作と映像の ギャップが面白い。 ディッキーと酷似した トムがなりすましを図る… 大富豪の息子と貧乏青年… その後、形を変え、名前を 変えて登場した映画の原作 はエンディングも全く 異なる心理サスペンスだった。 2015/07/23

Ryuko

22
【第3回ガーディアン必読1000冊チャレンジ】トムは、グリーンリーフから息子ディッキーをアメリカに呼び戻す依頼を受ける。イタリアに渡り、ディッキーに友情のようなものを感じつつも、ディッキーを手にかけるトム。ここからの展開がアラン・ドロンの「太陽がいっぱい」とは異なっていく。お話の流れとしては「太陽がいっぱい」の方がスッキリとまとまっていると思う。が、この小説の魅力は、追い詰められたトムと同化して、ハラハラしたり、ホッとしたり、またハラハラしたり、とトムの心理を味わい、楽しむことなのだと思う。面白かった。2015/08/13

bapaksejahtera

15
両親の死亡後の少年期に親戚に預けられ育ち、長じて小さな詐欺行為を楽しむ人間になってNYに住む青年。彼の許に息子の友人と思った資産家の老夫婦が訪れ、イタリアにいる息子の帰国を促してくれるよう頼む。青年は旅費を与えられ同国に赴く。息子は彼を慕う同国人の娘を友人にしている。青年は彼の家に転がりこむ、二人の若者の交流は男色的な雰囲気を漂わす。ある時金持ち息子は彼の衣服を纏う青年を見て立腹。寄食の青年は思わず相手を殺してしまう。以後演技的性格で被害者になりすます青年の危うい処世が描かれる。重苦しい雰囲気に満ちた作品2023/07/27

四葉

15
有名な成り済ましもの。オススメされて手に取った一冊。好意が通じないと分かるや否や冷静に暗い感情の赴くままに事を起こしてしまうのが恐ろしい。更に全く反省というものをしないのは前職の詐欺師が影響しているのでしょうか。(これが本質とは思いたくない)普段あまり考えない領域に深く入っていく感覚やリプリーの分まで今後の心配をしてみたりと面白い要素は ふんだんにあるけれど…私は読んでいてちょっぴり疲れを覚えてしまう。もちろん内容は面白かったです2013/02/17

秋津

12
太陽がいっぱいもリプリーもみているけど、違う印象。リプリーの方が近いかな。 トム·リプリーはすごく奇異な人物にもみえるし、とても普遍的な悩みを持つ人物にもみえる。そこが魅力かな。 シリーズを少しずつ読み進めたい。2017/02/14

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