内容説明
津軽の13歳は悲しい―うつりゆく東北の四季の中に、幼い生の苦しみをみずみずしく刻む名作「木橋」、横浜港での沖仲仕としての日々を回想した「土堤」、および「なぜか、アバシリ」を収録。作家・永山の誕生を告げる第1作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みっぴー
44
死刑囚の自伝的小説。出身地が同じなので、知ってる地名が出る度にドキッとします。愛情の欠如や貧困がそのまま犯罪に直結するのではなく、周囲の環境や生来の気質、様々なファクターがミルフィーユのように重なりあって、重さに耐えられず爆発してしまうのだろう。永山少年がこの時文学に出会っていれば、プロレタリア文学の頂点に君臨する作家になっていたかもしれない。2018/06/11
yozora
7
赤い、真っ赤な、ハマナスが・・・ 「網走番外地」は、映画『ねじ式』の中の「やなぎ屋主人」でかかってたな。永山則夫とつげ義春、時代に忘られし放浪者たちよ。2019/01/21
シャーリー
2
死刑囚が書いたのはどんな作品なのか興味本位で読みましたが、読み応えがありました。ちゃんと文学だなと思いました。2015/03/25
勉誠出版営業部
1
永山則夫の『木橋』を読了。4人を射殺した罪で死刑になった永山が、獄中で自身のルーツを綴った、自伝的小説。これが本当の体験を元にしているとすると、あまりにも悲しすぎて、痛々しい。2014/02/08
桜井晴也
0
きばし? もっきょう? にゃにゃ?2010/04/11