河出文庫<br> ジェシーの背骨

河出文庫
ジェシーの背骨

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  • サイズ 文庫判/ページ数 185p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784309402000
  • NDC分類 913.6

内容説明

「ねえ、女ってそんなにいいもんなの」―彼女は微笑しながら言い返す。「男だってとてもいいものよ」女と男と少年ジェシーの、激しくも優しいトライアングル・ラブ・ストーリー。話題の大型新鋭が抱きとめた透明な愛の空間。第95回芥川賞候補作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

海恵 ふきる

18
久しぶりに、一日で本を読み切った。解説の、心でも体でもない、魂(ソウル)という言葉がピッタリだ。「彼女が自分の母親にはなり得ないのを悟ったジェシーは、彼女を自分と父親の側にいる淑女(レディ)として扱おうとしているのである」という表現、そんな捉え方があったのか。とても斬新。山田詠美さんの、ねっとりとした濃厚な気体が充満しているような文章の書き方がとても好きで購入したけれど、この本はそれだけではない、なにかもっと世間一般にプラトニックなものが題材だったので新鮮だった。この微妙な関係は、愛になり得るのかも。2016/09/18

yuki

8
久しぶりの山田詠美。男性作者が描くセックスシーンや女の子との軽い関係には抵抗感を持っているのだが、この人の描くメイクラブやスラングを多用したラブメイトとの会話はとても心地よくて私を安心させる。本書のヒロインも、奔放な性格で、男性経験が多くて、なのにとても純粋で。愛する男の息子まで愛せるのか?ココの見出だした答えは、私をすんなり納得させた。山田先生は難しい言葉を使わず、恋愛や人肌を巧みに利用して、本当に上手に冷静に心情の変化を表している。恋愛小説家の中で群を抜いてクレバーな人だと思う。2017/02/17

hitomi.s

5
懐かしい山田詠美さんを続けて再読。今もあるかどうかわからない書店(多分古本屋さん)の名前の入った105円の小さいチラシがホチキス止めされてる。パパの彼女に、ヤキモチとヤキモキの11歳の男の子のお話。ヤキモチもヤキモキも、自分の中のこと。そこに向き合わせたのは、下手くそで不器用で自分勝手なとこがあるパパと彼女だろうな。向き合うのは苦しいし、戦いだ。一緒に戦うのは余計に苦しい。戦いたかったわ。消化するためにさ。2021/08/11

zaki

5
あらあら、こんなところに名作が。女は子どもを前にすると母になろうとするみたい。でもやっぱり素直にいられる状態で落ちつくみたい2010/12/03

ぎんちょさんちょ

4
いつもの男女間を描く内容を想像していたので最初は拍子抜けした。次第に距離が縮まったり離れたりするココとジェシーの関係は複雑なようで単純だったことが最後でわかった。精神よりも皮膚的な接触でのコミュニケイトと解説にあり、なるほどと納得。それを踏まえてもう一度読み返したくなった。その他の作品もそういう目線で読んだら何か新しいものが見えてくるのかも。2015/10/03

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