映画狂人のあの人に会いたい

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  • サイズ B6判/ページ数 301p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309265780
  • NDC分類 778.04
  • Cコード C0074

内容説明

日本で一番インタヴューが上手いと豪語する映画狂人が、多岐にわたる映画人から映画の魅力を引きずり出した、ライヴ感覚溢れるドキュメント。

目次

亡命者の栄光(ジョセフ・ロージー)
映画、この身軽な運動(アレクサンドル・トローネ)
足の裏まで小津映画(三宅邦子(with厚田雄春))
キャメラを持ったスイス人(レナート・ベルタ)
原稿用紙を広げ『人情紙風船』という題を山中さんが書いたのを見て僕は失礼しました…(宮川雅青)
『森の石松』の峠の茶店のシーンで、山中先生は一週間も雲待ちをされました(深水藤子)
増村さんの仕事で『妻は告白する』だけは私が先手を打てたのです(若尾文子)
愛情を発散する男というのは傲慢でセーブしないやつだと思うけど、まさにベルトルッチの魅力はそれなんです(坂本龍一)
東洋のゆるやかな時間が濃密に流れる“台湾の現代史三部作”の第二作『戯夢人生』(侯孝賢)
スタンダード・サイズの誘惑、あるいは映画の垂直性(アレクサンドル・ソクーロフ)
『アブラハム渓谷』をめぐって(マノエル・デ・オリヴィエラ)
パリの実践的映画論(エリック・ロメール)
素晴らしい出会いは、向こうからやってくる(ダニエル・シュミット)
『ユリシーズの瞳』、神話的時間(テオ・アンゲロプロス)
西部劇ならなんでもよかった(長塚京三)
どこまでも語ろう(塩田明彦)
闘いなくして、映画はない(万田邦敏)

著者等紹介

蓮実重彦[ハスミシゲヒコ]
1936年東京生まれ。映画評論・表象文化論・フランス文学者。前東京大学総長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

踊る猫

22
この本を読むと、やはり蓮實重彦は有能なジャーナリストであることがわかる。外交官的、とも呼べるかもしれない。相手のことを知り抜いた上で、その知識を闇雲に振りかざしたりせずに静かに懐を探っていく。蓮實の凄味はその意味では、「映画狂人」シリーズの論文を読み進めるのも有意義なのだけれど、意外とこうしたインタビューを読んでいくことでもわかってくるものかもしれない。個人的には彼がその折に触れて書き散らしてきた雑文的なものに興味を抱いているせいか、語っている蓮實の興奮が伝わってくるようなこの本を読み、当たりだったと思う2021/03/16

星落秋風五丈原

7
デミルは協会評議員を追われ、マンキウィッツは会長に留まる。 野球帽にスニーカーのフォード監督は、「さあ、帰って 寝よう。明日は撮影があるのだから。」と言った。 旅行から帰って後、マンキウィッツは「監督は、 全員忠誠を誓い、共産党に所属していないと所属すべきだ。」と 語り、話を振出しに戻してしまった。彼等を通じて見えてくるスクリーンの向こうの世界は、ある時は難解、ある時は妖しく、そしてある時は非情。それでもなお、七色以上の彩りを帯びて、今も多くの人をひきつけてやまない不思議なるもの。それが映画。2007/03/14

ワンタン

2
映画監督や俳優との対談集。おそらく対談相手の半分は作品を見たことがないので、殆どちんぷんかんぷん。塩田明彦監督の「月光の囁き」と「どこまでもいこう」を見られたら、また読み返そう。作品を見たことがある中で割合面白いと思ったのは、エリックロメール監督の「映画というと、人びとは、いまなお物語にしか興味を示そうとしないのです」という発言。以前ロメールの「緑の光線」(傑作だと思う)を、なぜか母と二人で家のテレビで見ていたとき、あまりに劇中何も事件らしい事件がおきないので、映画が終わったあと母が呆然としていたな。2020/01/05

GO-FEET

2
たしかこの本に、若尾文子のインタビューが載っていたなぁ…と思い出し、その部分のみ再読♪ ★★★☆2014/09/19

tiger y

0
これを読むと、蓮實重彦が本当に映画狂人だとわかる。自分なんて映画好きではあるが、マニアやシネフィルなんざ遥か遠くにあることがわかる。ジョセフロージーが蓮實のあまりの詳しさにだんだん興奮して饒舌になってくるところを覚えてる。2020/11/21

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