四天王寺の鷹―謎の秦氏と物部氏を追って

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  • サイズ B6判/ページ数 325p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309224527
  • NDC分類 210.3
  • Cコード C0021

内容説明

四天王寺に秘められた物部氏と秦氏の謎を、綿密なフィールド調査と鋭い分析を駆使して追求する。谷川民俗学が到達した、渾身の書き下ろし巨編。

目次

序章 物語の発端(白鷹の舞う空;四天王寺の三つの謎)
第1章 豊前の鷹(彦山・香春・宇佐;弥勒浄土 ほか)
第2章 良弁とは誰ぞ(諸国献上の鉱物;鷲にさらわれた子 ほか)
第3章 秦姓の舞(秦氏の活動;秦河勝の命運 ほか)
第4章 永奴婢の未裔(守屋の敗死後の四天王寺)
終章 聖霊会と公人長者

著者等紹介

谷川健一[タニガワケンイチ]
1921年、熊本県に生まれる。東京大学文学部卒業。現在、日本地名研究所所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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kk

13
図書館本。四天王寺に伝わる、白鷹にまつわる伝承をとっかかりにして、秦氏の足取りや物部氏のその後などについて思いを馳せる内容。新羅花郎と弥勒信仰の関係、宇佐八幡内の主導権争いと道鏡事件の絡まり、山間仏教と金属精錬の繋がり、さらには古代芸能成立・伝承のバックグラウンドなど、話は多岐に及びます。些か取り留めがなくなっている趣なしとしない上、地名の比定・勘考や史料の吟味などはそれなりにハード。面白く読みはしましたが、かなり疲れました。2022/11/12

ぽんくまそ

10
この本で、聖徳太子創建の四天王寺の片隅に、太子の敵であるはずの仏敵物部守屋を祀る祠「守屋祠」があるという驚愕の事実を知り、四天王寺を参拝した時に訪れようとしたら、立ち入り禁止でかなわなかった。寺の人に話しをしてみると、彼女は本書のことを知っており、22日だけ守屋祠が公開されていることを教えてくれた。四天王寺の鷹は太子の生まれ変わりで、キツツキになって寺作りを妨げる守屋の怨霊から寺を守ったという。小さな鳥居の形をした止まり木が金堂にあることも本書で知った。それは見れた。その上で再読したので意義深かった。2024/03/29

ぽんくまそ

8
前著「白鳥伝説」で九州から始まり東北にまで至る物部氏のロマンに興奮してから幾歳月を経た。今回は主に秦氏の足跡を辿る事になる。福岡県の香春岳の異様は、日田彦山線の車窓から見て、これが「青春の門」の冒頭に出る香春岳かと感動したことがあったが、この香春岳が出発点となり宇佐神宮へ。宇佐神宮も参拝したことがあるが謎が尽きない神社である。ほとんどが感情を挟まない論文だが初めと終わりだけ詩情で綴るのが「白鳥伝説」と同じで良い。四天王寺にも行ったことがあるが南から近づくと正門が翼を徐々に広げるように見えた。鳥なのだ。2020/07/31

yooou

5
☆☆☆★★ 四天王寺には仏教推進派の蘇我氏によって誅殺された排仏派の物部氏がともに祀られていると云う。流入してきた渡来人たちの文化的宗教的価値観の衝突であったらしい。興味深いテーマでありましたが、かなり難解でした。2010/06/13

silka

2
タイトルに直に関係するのは序章だけだったようだ。四天王寺と物部守屋から始まり、九州秦氏の鉱山、和気清麻呂の政治闘争、東大寺大仏建立、など各章テーマが大きく展開しメインテーマがわからなくなったが最後は一応四天王寺に戻ってはきている。このあたりジャンルの雑記集として読むつもりでよかったようだ2019/07/02

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