内容説明
崩壊する戦後体制、第2次大戦前の状態に戻りつつあるヨーロッパ、火を噴く民族主義―。戦争の原因を、経済、政治、社会、民族問題等あらゆる背景から掘り下げ、その経過を、軍事面のみならず総力戦の観点から追求。
目次
第1部 ヨーロッパの戦争の原因
第2部 ヒトラーの戦争(1939‐41)
第3部 ナチス占領下のヨーロッパ
第4部 中盤戦
第5部 ドイツの敗戦(1942‐45)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
44
邦訳は改訂版が底本で1991年刊。第二次世界大戦のうち上巻では欧州戦線に絞り記述。テーマごとに章立てされており、特に政治過程の他経済や産業に関する記述が豊富で、戦争を構造的に理解するのに役立つ。戦争に至るまでの政治過程にも章が当てられている。戦後のニュルンベルク裁判などについては少し記述がある。イギリス人の歴史家らしい、丁寧というか回りくどい言い回しと、それをまっすぐ翻訳しているためか、特に政治過程は読みづらく難渋した。2段600ページ越えで、ギルバートのものと併読すると大戦の全貌が深く理解できる。2020/06/12