内容説明
文学/歴史/法制史/日本語学の最前線が交錯。漢字表現としての把握、作品の全体理解の徹底、古典化の運動のなかに見ること―という三つの視点を設定。「古事記」を通じて伝承の世界を語るのではなく「古事記」そのものを徹底して問う。
目次
第1章 漢字テキストとしての『古事記』(講演 日本最古の文字;よみを探して、ことばを求めて;訓詁から見た古事記;『古事記』の文体―散文部と歌謡部)
第2章 『古事記』の全体理解のために(対論『古事記』の本質をどうとらえるか―神話・祭祀・律令国家(神野志隆光;水林彪;(司会)米谷匡史)
古事記構想論
日向三代におけるヒコホホデミ―ワタツミの宮訪問条の主題と構想)
第3章 古典化される『古事記』(「倭訓」の創出―講書の現場から;『日本書紀』から「日本紀」へ;真福寺本古事記の背景―真福寺聖教体系中の神道文献から;三大考論争―神話的世界像の終焉と『古事記』のあらたな始まり)