内容説明
われわれの問題としてきた「集落再編成」は、たんなる住居の移動や住宅用地形成ではなく、なんらかの意味で、コミュニティの再編成にかかわるものである。したがってそれはたんにフィジカルな次元での集落の配置替えや移転統合につきるものではない。その根源は昭和40年代以降のわが国の地域社会の急激な構造変動に起因しているものであるから、それはもはや「過疎地域」だけに限定されるものではなく、平場の水田地帯をも含めて現在のわが国のほとんどすべての農山村が直面している問題の一環として把えるべきものであろう。
目次
第1篇(コミュニティ再編成問題の社会学的意義;課題と方法)
第2篇(沢内村〈長瀬野〉における集落再編成;白鷹町〈栃窪〉における集落再編成;七ヶ浜〈湊浜〉における集落再編成)
第3篇(住民の対応意識の構造と変容―多変量解析の試み;沢内村における地域医療組織化;総括と展望)