出版社内容情報
世界の貧困・紛争をテーマにさすらった若者が、医師となって、
佐久で若月俊一の魂に出会った。沖縄にあっても地域医療の前線にあり、時に霞が関のミッションを帯びて奔走し、どの現場でも汗を掻き続けるその目に「地域包括ケアシステム」の実像はどう映るのか。この国のかたちをどう模索しているのか。診療の傍ら多方面に発信する著者による、現代に老い病むひとを支えたいすべての医療者に捧げる提言の書。
高山 義浩[タカヤマ ヨシヒロ]
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すのす
1
業務分野本として読了。それだけでなく、詩集かもしれない。体験やそれに基づき考えたこと、悩んだことは、響いてくるものがある。2022/08/01
つなぐ
1
著者は何だか分かりづらいの地域包括ケアなんてお国の政策を頼りにせず、地域の側から、どんどん疾患をもつ高齢者を受け入れられる社会環境を作っていったら良いのではと提案してます。現実的にここまで高齢者が増えてくると、健康な高齢者が互いに病気を予防する活動をしたり、疾患をもつ高齢者を同じ地域に住む健康な高齢者が助けたりする地域活動をすることを目指すしかないと思うのです。医療者は介護必要度をなるべく上げないように地域に返す努力しかできませんよね。私的には結局は当の高齢者が自分達で立ち上がって何とかしたしたらと2017/06/17
ロッティット
1
超高齢化社会の中で如何に地域と連携した医療を実現するのか。また、根源的な問いとして医療の目的とは何なのかについて現場で葛藤する著者。本書は医療の現場を知らない層に対して多くの気づきを与えてくれる。それは必ずしも解決策ではなく、絶望感に近い一面も含まれるが、どこかほっとする安心感のようなものに近い。時折参考ケースとして挟まれるタイの先進的な地域医療についても興味深く読んだ。日本人が今後の医療のあり方を主体的に決め、かつ関与していく時代に突入していることを教えてくれる著作。2016/12/30
あおい
0
2025年問題や胃ろう問題の本質をうまく掴んでいる。寝たきり老人にならないで死ぬのを選ぶ人間がこの国に何人いるんだろう。