研究双書<br> メキシコの企業と工業化

研究双書
メキシコの企業と工業化

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  • サイズ A5判/ページ数 278p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784258044917
  • NDC分類 509.256
  • Cコード C3033

内容説明

変貌を遂げるメキコ経済において近年注目されるのは、民族系大企業の台頭である。対外債務の累積、経済不況、市場開放による競争の激化等々、企業をめぐる経済環境は厳しい。にもかかわらず民族系大企業は、対外債務返済交渉をしたたかに乗り切り、大規模なリストラの断行により国際競争力を向上させ、民営化政策の好機を捉えて有力公企業を傘下に取り込み、着実な発展を遂げているのである。このような民族系大企業の台頭がなぜ可能となったのか。民族系大企業の力強い成長―そしておそらくはその限界―の背後にある成長の論理を解き明かすこと、それが本書のねらいである。しかし、本書が対象とするのは主に1980年代より以前の時期までである。あえてこのように対象時期を設定する理由は、民族系大企業の台頭を可能にした企業の側における条件が、経済改革が実施される以前の成長過程において醸成されたと考えるためである。

目次

過当競争と企業の革新―ビール工業におけるクァウテモックの事例
混合経済体制と民族系企業―鉄鋼業におけるイルサとフンディドーラの事例
伝統産業に近代的転換―製パン業におけるビンボー・グループの事例
民族化政策の成果と限界―非鉄金属鉱業におけるグルーポ・メヒコの事例
産業育成政策と民族系企業―自動車部品工業におけるデスク・グループの事例